「解放の学力とインクルーシブ教育の源流」豊中市南桜塚小学校訪問記(後編)

前編は、豊中市南桜塚小学校に訪問した時の授業の様子などについてレポートしました。その後校長室で、橋本先生には、豊中市には南桜塚小学校にかかわらず、障害のある子を受け入れしている学校はたくさんあること、自分はこの学校に赴任してまだ1年であり、50年にわたる長い人権教育の流れのなかで、今のようなインクルーシブ教育の形が出来上がってきたことをお伺いしました。また、橋本先生自身、自分自身はもともと人権のことについて詳しかったわけではないが、初任のときからあたりまえのように関わることになった教職員組合活動や「障害」をもつ仲間と共に歩む豊中若者の集いのなかで、徐々に障害のある子の包摂を含めた人権教育に対する理解が進み、熱意をもって取り組むようになったといいます。また、授業を見せていただいた阪本珠生先生も豊中市のインクルーシブ教育の中で育ち、中学校の時には当時全国で初めての全盲の先生に教わりました。

 

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儒教が分かると江戸の教育が分かる?(儒教と教育その3)―日本の教育のルーツを辿る(23)

前回、日常使う言葉のなかにも多く存在し、私たちの思考様式の見えないところに深い影響を与える「儒教」の存在について書きました。今回は特に江戸時代に「儒教」がどのように入り、受容されていったのか大きな流れだけ把握しておきたいと思います。

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私たちはなんでこんなに「型」が好きなのか?(儒教と教育その1)〜日本の教育のルーツを辿る (21)

日頃、学校教員、行政、民間教育、保護者など、さまざまな角度から教育にかかわる人たちと「探究する学びの場づくり」をしていますが、とても気になることがあります。それは「探究学習」に対する憧れは強いものの、導入し、実践レベルになるととたんに躓き始めるケースが多いことです。そして、うまく行かないケースの場合、往々にしてあるのが「形」だけの導入です。

 

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生活科・総合的な学習 (その4:伊那小・中質疑応答)〜私たちの教育のルーツをたどる(20)

昨年2月に伊那小学校を訪問させていただきました。そのご縁でわたしたちのLearning Creator’s Lab(LCL)で武田先生にお話をお伺いすることが叶ったのですが、この内容をLCLで留めておくにはあまりにもったいなく、今回その内容を4回に分けてご紹介したいと思います。今回はその第4回目(その1、その2、その3はこちらから)。伊那小学校校長、伊那中学校校長を歴任され、現在信濃教育会会長をされている武田育夫会長、馬淵勝己先生(元伊那小研究主任、現豊科東小校長)、佐々木英明先生(元伊那小研究主任、現麻績小校長)、保科潔先生(元伊那中教頭、現穂高東中教頭)にLCLのメンバーが質問をしました。この内容もなかなか興味深かったので、共有します。
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生活科・総合的な学習 (その3:伊那小・中の学校経営)〜私たちの教育のルーツをたどる(19)

昨年2月に伊那小学校を訪問させていただきました。そのご縁でわたしたちのLearning Creator’s Lab(LCL)で武田先生にお話をお伺いすることが叶ったのですが、この内容をLCLで留めておくにはあまりにもったいなく、今回その内容を4回に分けてご紹介したいと思います。今回はその第3回目(その1、その2はこちらから)。伊那小学校校長、伊那中学校校長を歴任され、現在信濃教育会会長をされている武田育夫会長の伊那中学校時代の教頭保科潔先生(現穂高東中教頭)に、どのような学校づくりをされているかをお伺いし、その後武田先生、馬淵先生、佐々木先生、そして、軽井沢風越学園でも連携で2年過ごした石山れいか先生も含めて、ディスカッションをしていただきました。
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生活科・総合的な学習 (その2:伊那小学校の実践)〜私たちの教育のルーツをたどる(18)

昨年2月に伊那小学校を訪問させていただきました。そのご縁でわたしたちのLearning Creator’s Lab(LCL)で武田先生にお話をお伺いすることが叶ったのですが、この内容をLCLで留めておくにはあまりにもったいなく、今回その内容を4回に分けてご紹介したいと思います。今回はその第2回目(その1はこちらから)。伊那小学校校長、伊那中学校校長を歴任され、現在信濃教育会会長をされている武田育夫会長の伊那小学校時代の同僚の馬淵勝己先生(元研究主任、豊科東小学校校長)、佐々木英明先生(元研究主任、現麻績小学校校長)に実際にどのような実践が行われているかをお伺いしました。
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生活科・総合的な学習 (その1:伊那小学校の源流)〜私たちの教育のルーツをたどる(17)

昨年2月に伊那小学校を訪問させていただきました。そのご縁でわたしたちのLearning Creator’s Lab(LCL)で武田先生にお話をお伺いすることが叶ったのですが、この内容をLCLで留めておくにはあまりにもったいなく、今回その内容を4回に分けてご紹介したいと思います。今回はその第1回目。伊那小学校校長、伊那中学校校長を歴任され、現在信濃教育会会長をされている武田育夫会長に伊那小学校の実践のルーツをお伺いしました。
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歴史は何のために学ぶのか(幕末の国学から考える)―わたしたちの教育のルーツを辿る(16)

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1ヶ月余りが過ぎました。このような時は、どうしても自らのことは棚にあげてほかの国のこと、またそれを率いる指導者のことを勢いよく批判してしまいがちです。でも、こんな時にこそ私たちは過去を振り返り、どうしたら同じことを繰り返さなくて済むのか、日常あまり意識することはないけれども私たちの日々の思考様式の中に、争いに繋がるような危ういものがないかを少し考えてみたいと思います。
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明治のキリスト教と教育(その4)―女子教育とキリスト教ー私たちの教育のルーツをたどる(15)

いままで明治期にどのようにキリスト教が広まっていったのか、またその過程でどのように私たちの教育も影響を受けていったのかについて見ていきました。今回は明治期に60校新設されたプロテスタント系の女子校を中心に、明治期の女子教育全般にも触れていきたいと思います。明治期のキリスト教教育のまとめとしては今回が最後となります。

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