ピアジェに学ぶ“優しい”子どもの「見方・考え方」

昨年FOXプロジェクトという特別支援のプログラムを始めました。ひょんなことから、重度の障がいを持つお子さんをお持ちのお父さんとお話しするようになったことがきっかけです。このプロジェクトについては、どこかできちんと纏めますが、「インクルーシブ」ということを考えたり、日常の「学び」を捉えたりするにあたって、発達心理学の考え方から学ぶことがあまりにも多い。特に昨年の哲学登山「発達と学習」で、シーグラー、ピアジェ、ヴィゴツキー、ブルーナーを読んで新しい視点を得たので、自分でもいくつか本を追加で読みつつ、考えたことをここで書き留めておきたいと思います。今回は前半としてシーグラーとピアジェについてです。

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釈迦に説法!?教師のプロフェッショナリズムとアマチュアリズムを考える〜市川力・倉成英俊対談

教育者たちが集って年間でプロジェクトを立ち上げながら学んでいくLearning Creator’s Lab(LCL)。5期生も3月からスタートしていよいよ11月末の最終発表に向けて後半戦にはいってきました。7月末に4−5名のチームが8つ立ち上がっています。LCLでは、いわゆる講師として学校の先生だけにきてもらうのではなく、クリエイティブパートナーという創造性に関わっている人たちとも交流してもらっています。そのなかの一つの企画として、8月にクリエイティブ・プロジェクト・ベースの倉成さん、それから講師としておなじみの「みつかる+わかる」の市川力さんにお話してもらいました。

 

この二人には3年前にも対談してもらっています。なので、今回「好き勝手、なんとなく、とりあえず 〜あれから3年」というテーマで話してもらいました。その中で見えてきたのが、教師の中のプロフェッショナリズムとアマチュアリズム。プロだからこそできること、アマチュアだからこそ見えるものがある。しかも、何かの創造者になるのであれば、誰も歩いたことのない道を歩く、という意味で「素人」の要素は大事なのだから、狭い意味での「玄人」に拘泥しないことが大切、という話です。今、教師に求められていることはあまりに多い。本当にあれもこれもやって、全てのことに対して「プロ」の顔をする必要なんてあるのでしょうか。「教師」の仕事の「プロ」と「アマ」について一緒に考えられたらと思います。

 

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創造性はそだてられるのか?川喜田二郎〜私たちの教育のルーツを辿る(6)

 

ある企業さんの「創造性を育てる」というテーマの研究に関わり、昨年秋頃から定期的に一緒に雑談しながら考える時間をいただいています。

 

そんな折、私の知人伊藤洋志さんが最近『イドコロをつくる〜乱世で正気を失わないための暮らし方』という本を出しました。伊藤さんは「モンゴル武者修行」というものをやっています。以前から以下のような文言をホームページで見て、いつか行きたいなぁ、と思っていました。

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クリエイティブな人の条件



先日Learning Creator’s Lab(LCL)で、クリエイティブパートナーの地理人こと今和泉隆行さん、プログラム全体を通じて、そして公私共々お世話になっている市川力さんと、とくに題名も設定しないまま二時間お話をする、という時間を持ちました。

結果的に、内容は「創造するとは何か?」「クリエイティブな人というのはどんな人か」ということについて、ドンピシャのお話でした。LCL内で留めておくには勿体無いので、ここでちょっとだけでもお伝えできれば、と思います。

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評価の最前線と4つの潮流

 

先月末にハワイの伝統校Mid Pacific Institute(昨年訪問したときのレポートはこちらから)でプロジェクト型学習を中心に長年の経験を積まれている先生方による研修の企画実施を担当しました。

そこでプロジェクトの設計にあたって、大きな時間が割かれていたのが「本質的な問い」と「評価」です。「本質的な問い」「評価」は現場で繰り返される悩みポイントです。前回「本質的な問い」について振り返ってみましたが、このところ「評価」について、大きく変化の流れがあるように感じていますので、4点まとめておきたいと思います。

その1:総括的評価から形成的評価へ
その2:成績とアセスメントを区別する
その3:フィードバックの重要性
その4:教師による評価から自己評価・ピア評価へ

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「本質的な問い」に迷う方へ



藤原さとです。

 

先月末にハワイの伝統校Mid Pacific Institute(昨年訪問したときのレポートはこちらから)でプロジェクト型学習を中心に長年の経験を積まれている先生方による研修の企画実施を担当しました。

そこでプロジェクトの設計にあたって、大きな時間が割かれていたのが「本質的な問い」「評価」です。「本質的な問い」「評価」どちらも私も何度か纏めていますが、現場で繰り返される悩みポイントです。今回、改めて「本質的な問い」とは何か、「評価」とは何か、研修で提示された資料も良かったので、自身も振り返りながらアップデートしておきたいと思います。今回は「問い」そして、次回「評価」について纏めたいと思います。

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どの情報が正しいの?メディアリテラシーそして大量の情報との向き合い方〜山脇岳志さんインタビュー

 

緊急事態宣言も解除となり、学校も分散登校が始まりました。とはいえ、まだまだ落ち着かない日々が続いていることと思います。


ところで、今回の新型コロナウイルス関連で、私たちがずっと翻弄されつづけ、悩まされ続けた「情報」。ニュースやSNSで毎日のように流れてきますが、一体何が正しくて、何が間違っているのでしょうか?私たちは何をたよりに判断をしていけばいいのでしょうか? そこで、今年3月末まで朝日新聞の編集委員をされており、4月よりスマートニュース メディア研究所の研究主幹に就任され、メディアリテラシー教育にも携わっていらっしゃる山脇岳志さんに大量の「情報」との向き合い方について、お話いただきました。(聞き手:こたえのない学校代表理事 藤原さと)

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よい授業とは? 主体的・対話的で深い学びとは?

 

藤原さとです。

だいぶ日が長くなってきましたね。私は日が短いのが嫌いなので、日が暮れるのが遅くなるのを毎日実感する二月は好きな月でもあります。

さて、海外の学校を含めて授業を見学する機会はもともと多かったのですが、昨年くらいから探究学習、総合学習の授業見学や授業講評の機会が増えてきました。今日はどんな視点で授業を拝見しているのか、少しまとめておきたいと思います。

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“フツウ”ってなに?〜道徳の教科化から考える社会の不寛容と不自由に対する考察


藤原さとです。


あっという間に年末になってしまいました。

私の方では、今年、今までやってきた探究学習をさらに深化させ、より良いものにしたいと考えており、SEL(社会性と情動の学習)のプログラム開発に関わリ始めました。来年から本格的にプログラムもスタートしますが、それに関連して、2年前に学習指導要領が改定され、教科化された学校現場における道徳について、先生方に色々話を聞いていました。成績評価の話もあり、少しまとめておこうと思います。

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