探求の共同体を実現する対話とは?–子ども哲学の現場から

 

藤原さとです。

 

先週ハワイで学校の視察をした時、どうしても見てみたかったのが、現地公立小学校で実施されている子ども哲学(P4C:Philosophy for Children)の授業。私たちの教育者研修のLearning Creator’s Labでも子どもの哲学は、2016年のスタート当時からプログラムに入れているのですが、お世話になっている立教大学の河野哲也先生にP4Cの分野で研究が進んでいるハワイ大学のことを聞いており、興味をずっと持っていました。

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「学ぶ」とは何か 〜寺田寅彦から教えてもらったこと

 

藤原さとです。

 

最近読んだ本「科学と科学者のはなし―寺田寅彦エッセイ集」について。以前もパラパラとめくってはいたのですが、先日ふと手にとって改めて読んでみたら、とにかく面白い。アマゾンでは、「日本人の自然観」「神話と地球物理学」「西鶴と科学」「化け物の進化」などなど大量のエッセイがKindleで無料で読めるため、続けて次から次へと読んでしまいました。

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教師の仕事は徹底した個への関心がないと成立しない 〜誰一人として見捨てない教育へ

 

藤原さとです。

さて、いつもお世話になっている軽井沢風越学園(設立準備中)の岩瀬直樹先生が今年共著で出された「インクルーシブ教育を通常学級で実践するってどういうこと?」という本。 読んでみたら、本当に良かった。岩瀬さんの本はいくつか拝読していますが、私、もしかしたらこれが一番好きかもしれないですね。ご紹介したいと思います。

 

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なぜ絵を描きますか?〜クリエイションと自己発見について

藤原さとです。

先日、埼玉大学の小澤基弘先生(教育学部芸術講座 美術分野教授)の研究室にお伺いし、授業を見せていただく機会がありました。先生の「絵画の制作―自己発見の旅」という本を読んだことがきっかけだったのですが、そこにまさに私が「描く」ならぬ「書く」理由があり、どんな授業をされているのかぜひ見てみたかったのです。

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子どもたちが「自由」に生きるためにはどうしたら良いのか?


藤原さとです。

最近ある学校における「自由」について考えることがあり、このテーマで人と話すこともあるので、少し読書をしていました。

本は手元にあるものでなんとなく選んだのですが、エーリッヒ・フロム「自由からの逃走」、ハンナ・アーレント「過去と未来の間(第4章自由とは何か)」です。この二つを読んでしまうと、フランクルの「夜と霧」も読みたくなってしまうので、さらっと再読。気がついてみると全員同時代のユダヤ人。その中でフロムとアーレントはナチスを逃れて第二次大戦時にアメリカに渡り、フランクルはアウシュビッツに送られた後、収容所を生き抜きます。究極の「自由の阻害」を経験した彼らは「自由」をどう捉えたのか。

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創造する学び-クリエイティブラーニングとは何か?

藤原さとです。

先日「クリエイティブ・ラーニングー創造社会の学びと教育」が出版されました。

ジェネレーターズベースキャンプでご一緒させて頂いている井庭先生、Learning Creator’s Labを含め、日ごろから大変お世話になっている市川先生、岩瀬先生、ABLEで沢山学んだ今井先生が関わっている、、ということであれば面白くないわけがないと思って読みましたが想像を大きく超える内容でした。特に序章は教育をする人なら名前だけでも知っているだろうピアジェ、ヴィゴツキー、デューイ、パパート、レズニック、コルブらの考え方を「創造性creativity」のレンズから紐解き、「創造する学び‐クリエイティブラーニング」の概観をまさに構築していきます。そしてその世界は、「ものづくり」という範疇を飛び越え、一級のアーティストが実現するような世界まで飛びこんでいきます。本当にこんなことが可能なのか、でも、そんなことに驚いている間に現実のほうが先に進んでしまうのかもしれない、そんな気持ちで読みました。どこまで伝えられるかわかりませんが、私自身の備忘録も含め共有したいと思います。

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【探究と探究でないものを分かつものは?~這いまわる経験主義に陥らないための考察と整理】

 

藤原さとです。

 

このたび、経産省の「未来の教室」事業で、米国サンディエゴをベースとし、教育ドキュメンタリー映画 “Most Likely to Succeed”の舞台 とともなっている世界有数のプロジェクト型学習(以下PBL)校、High Tech High (HTH)の教員研修プログラムを日本に招聘することになりました。今、日本の教育文脈に合わせたプログラムのローカライズと研修実施に向けて準備しています。

ところで、PBLというと「探究学習」のカテゴリーだ、と思われる方は多いと思うのですが、では「探究とは何か?」、「なぜPBLは探究と言えるのか?」さらには「探究と探究でないものはどう分けられるのか?」となると意外と答えにくかったりします。

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「最高の授業」スパイダー討論提唱者 Alexis Wiggins先生にお会いしてきました。-チームのパフォーマンスを最大にするディスカッションとは?

 

藤原さとです。

この夏に色々な人から「スパイダー討論」をいう言葉を耳にするようになり読んだ「最高の授業-The Best Class You Never Taught」。先日John Cooper Schoolで英語学科の学科長であり、この本の著者であるAlexis Wiggins先生にお会いする機会があり、お話しを伺ってきました。(実は、John Cooper Schoolは私がアメリカに2017年まで住んでいたThe Woodlands、なんと当時の自宅から徒歩10分くらいのところにあります。本を買って読んで、著者プロフィールを見て驚きました。そんなこともあって、High Tech Highの研修参加でサンディエゴに行ったついでに、Woodlandsを訪れ、ついでにお会いしてきました。John Cooper Schoolは地元でも評判の私学です。)

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