おうちでできる探究のススメ (特に幼児期~10歳前後まで)

 

こんにちは。藤原さとです。

 

アメリカネタを続けて書くかもと言いつつ・・・、今日は、おうちでできる探究・・について書いてみます。本来自分の子育ての経験を書くことが一般性を持つものか分からず、少し悩んだのですが、「こんな考え方もある」という風に割り切って少し、自宅でのことも一部書いてみようかと思います。

 

そもそも探究って何?

 

ところで、「探究」ですが、これは一般名詞です。なので、「探究」「inquiry based learning」などで検索すると、それはそれは沢山の定義が出てきます。

何ともつかみどころのない言葉なのですが、国際バカロレアの「探究」の定義が私たちの理解に近く、実際のこたえのない学校のプログラムの実施に於いても意識しているところですので、今回、こちらの定義を「探究」と捉えて、書いてみます。

さて、国際バカロレアでは、最も広義に“探究”という言葉を捉えた場合、それは「児童生徒が現在の理解レベルからより深い、新しい理解レベルへと移行するためのプロセス」とし、以下の活動の多くを伴うとしていています※。

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ここだけは真似しちゃいけない!アメリカの教育格差

 

こんにちは、藤原さとです。

 

ポラリスこどもビジネススクール2期も無事終了しました。2期のテーマは「サービス・商品を創る」でした。このプログラムでは、「デザイン」「発明」「サービス開発」と進める中で、それぞれの仕事の共通点や、違いが分かるように、また仕事をいろいろな角度や深さから考えることができるように仕掛けました。

2016年は冬に公立小学校で「菌の営み」に注目し、実際に酵母を育てて、人と菌、菌と菌の関係を探究するプログラムを実施予定です。 春には「医療」をテーマとしたキャリアプログラムをスタートします。楽しみながら、質の良いものを作り続けていきたいと思っています。

さて、前回アメリカのICT教育について書き、今回はアメリカネタから少し離れようと思ったのですが、前回初めてブログを見ていただいた方も多いようなので、今回も書いてみようと思います。(しばらくアメリカネタになるかも・・!?)

今まで、アメリカの教育の現場について私が見たこと、感じた事を書いてきました。どちらかというと、日の当たる部分、良いな、と思う部分を中心にご紹介してきました。

ただ、今回は少し見方を変えて、「アメリカのここだけは真似しちゃいけない!」部分について書かせていただきます。

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アメリカの学校現場におけるIT導入の現状から見る日本の教育ICT導入に関する議論の特殊さ

 

こんにちは。藤原さとです。

 

先月日本に少し戻りました。基本的には「こたえのない学校」のプログラムのために戻ったのですが、併せて企業研修や講演などもさせて頂いていました。

その中で、「アメリカの教育」について話す・・というお題があって、アメリカで行われている授業や学校とコミュニティの関係、そしてアメリカの教育における社会的課題についてお話しました。そして、その中で、アメリカの学校現場におけるIT導入の現状(ICT:information and communication technology)についても少し触れましたので、当日言及しなかったことも含め、今回特にその内容について書きたいと思います。

まず、アメリカのIT導入の現状ですが、総務省のフューチャースクールなどで先端事例として挙げられているようなものは、こちらでは公立を含めた小学校から普通に導入されていると言って良いかと思っています※。下記にご紹介します。

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慶應大学の学生は小学校の時に何に夢中になっていたのか?~長谷部研究会を訪ねて~

 

こんにちは。藤原さとです。

 

帰国中、ご縁を頂き、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)の長谷部葉子先生の研究会にゲストとしてお邪魔してきました。

アフリカ・コンゴでの小学校運営や離島「口永良部島」での教育プロジェクト、ヤングアメリカンズプロジェクトなど、さまざま教育領域でのリアルプロジェクトに取り組む長谷部葉子研究会。

教え子たちが「先生と出会った人は皆、人生という『大舞台』の主役になる」と言うように、授業では「自分のカタチ」について深く思考することが求められます。「SFCのビックママ」と呼ばれ、これまで多くの有望な若者を社会に送り出してきました。

そんな長谷部研究会の当日のテーマはなんと、ズバリ「教育を考える」!

自分が思い浮かべる教育とは?自分に影響を与えた教育とは? あなたの実現したい学校は? テンポよく、どんどん考えさせる授業。 その中で、「こたえのない学校」そして「答えのない問い」についてもみんなで考えるという場も作っていただき、本当に貴重な体験をさせて頂きました。

そのなかで、子供の頃の”遊び”がどれだけ重要で、それが大人になってからも生きてくるのかということを改めて認識しましたので、皆さんと共有したいと思います。

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子供の個性を認めるのはさすがに得意!アメリカの公立小学校の新学期

こんにちは藤原さとです。

夏の帰国から、テキサスに戻りました。そして、娘が今週月曜日からGrade2(小学校2年生)に進級し、新しい先生とお友達との新学期が始まりました。

一週目はオリエンテーションが中心でクラスもグループで半分遊びのようなワークをすることが多いみたいで、今のところ英語がままならないにも関わらず、楽しいといって学校に通っています。

ところで、アメリカといえば、個人のアイデンティティをとても大切にするお国柄です。それが良いか悪いかは別として、自己紹介の仕方などの仕掛けはさすがだなぁ、思うので、ごく簡単にご紹介したいと思います。

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体験型学習・調べ学習と探究型学習の違いとは?~国際バカロレアのIBワークショップから~

こんにちは。藤原さとです。

お盆の時期ですこしゆっくりされている方もいらっしゃるでしょうか。

さて、先週、IBワークショップという国際バカロレア(IB)の教師向け用ワークショップに参加しました。こたえのない学校のスタッフと私が参加したのは、初等教育プログラム(Primary Year Program: PYP)のカリキュラムモデルを3日間、朝から夕方まで学ぶものでした。

私たちは、IBでも中心に据えている、探究型学習を組み合わせたキャリア教育プログラムを開催しています。しかし”探究”は非常に奥深いもので、ちょっと本を読んだだけで、出来るようなものではありません。実際の実践と振り返り、そして子供に携わる大人自らが学び続け、探究し続ける必要のあるとてもチャレンジングなものです。我々も日々勉強です。

今回、国立・私立・インターナショナルスクールの先生方と同じグループで学んだため、小学校の教育現場でどのようにカリキュラムを組み立てていらっしゃるのかも知る事が出来、私たちにとっても非常に貴重な機会となりました。

ということで、今回若干マニアックなブログとなりますが、よろしくお願いします。

IB Workshop

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子供の幸福度No.1 オランダの教育から学ぶことは何?

こんにちは。藤原さとです。

6月初めから一時帰国中ですが、東京では目移りするほどいろいろなシンポジウムや、教育関連のイベントがあり、その中で、先日オランダの教育についてのレクチャー※がありました。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、オランダは子供の幸福度世界が先進29か国中1位。私の頭の整理も含め、みなさんと共有できたらと思います。

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無料オンライン学習で本当に得するのは誰?~カーンアカデミーをやってみた(1)

こんにちは。藤原さとです。

今日は、無料オンライン学習について書いてみようと思います

eラーニングはこの数年で動きがさらに盛んになっています。特に「2020年までにすべての学校で1人1台のタブレットを導入したIT授業を実現する」閣議決定もあって、昨年あたりから教育領域でテクノロジー採用の取り組みが本格化してきています。

MOOC(Massive Open Online Courses:ムークと読みます)はご存知ですか? 2012年にアメリカで複数立ち上がった「オンラインで公開された無料の講座を受講し、修了条件を満たすと修了証が取得できる」講座のこと(定義:JMOOC) です。大学生以上向けにはコンピュータサイエンスを中心とした最先端テクノロジーに関する講座を多く配信するUdacity, 世界中の多くの大学と協力し、それらの大学のコースのいくつかを無償でオンライン上に提供するCouseraやedXが有名で、既に数百万人規模のユーザーがいます。日本では、日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)公認の「gacco」が昨年4月にスタートしたほか、「edX」などが立ち上がっています。

(有料のものも含めると、最近ベネッセが提携したUdemy とか、Schoo、リクルートの受験サプリなど、沢山のものがあります)

 

<カーンアカデミーをやってみた>

今回は、MOOCの中でも、大学生向けではなく、小学校から高校生向けの無料オンライン学習プラットフォームサービスとして、世界最大規模のカーンアカデミーを実際やってみました。

ちなみにはじめ英語で受講していたのですが、なんとこちらのサイトから多くのコンテンツが日本語で見れます。(ということは、日本語のサイトと比較しながらタダで沢山英語が学べますね☆)

カーンアカデミー日本語のサイト

https://ja.khanacademy.org/

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いじめとけんかの違いはどう決める?

藤原さとです。

ひょんなことから、アメリカの現地公立高校の代理教師(Substitute Teacher)の依頼を頂きました。

といっても、正規の先生のお休みの時に臨時でクラスを受け持つもので、私の場合は一か月に一回やるかどうかという予定です。

とはいえ、その学校のある教育区で書類審査を受け、オリエンテーションを受け、10時間弱のオンライン講習を受けて、正式に代理講師として働くことが許されるため、ここしばらく空き時間を使って準備をしていました。

ということで、先月オンライン講習を受けたのですが、中身は基本的に学校で起きるリスク管理や、コンプライアンスに関するもの。たとえば、子供がクラス内で血を流したときに感染の可能性の観点からどのように扱うべきかとか、アレルギー対応、教員間や生徒間、教員-生徒間のセクシュアルハラスメントの対応、子供の虐待を認知した時の教師としての行動規範・・などなどです。

その中で、「いじめ(bullying)」をどのように定義するか、「いじめ」と「喧嘩(fighting)」の違いはなにか、教師はどのような責務を負い、どのような対策を講じるべきかというセッションが興味深かったので、少しご紹介したいと思います※。

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アメリカでの習い事(1)チルドレンズミュージアム

藤原さとです。

先週日曜日にポラリスこどもビジネススクールの第一回が無事終了しました。販売・マーケティングの専門家である相澤利彦さんにポラリスナビゲーターになっていただき、バリューチェーンから商品企画の顧客設定のところまで、盛りだくさんのびっちり3時間のプログラムとなりました。こどもたちの作ったプレゼンテーションは、「小学生がコンビニで買いたいものはこんなものだ!」。 また近日中にご報告いたしますので、よろしくお願いいたします。

さて、今日は、アメリカでの習い事の様子をレポートしたいと思います。

こちらでは小学校の間はあまり塾というものに通いません。あると言えば、この辺では、一般的にはお勉強系では、公文が“KUMON”として有名なくらいで、ごく一部の子が、州統一テストの準備や、私立受験やGifted & Talentedの特別クラスでのフォローで勉強をするといったイメージです。逆に学校でのリーディングアサイメント(本を毎日20分読む)や、宿題が3年生くらいになると多くなってくるので、そちらをしっかりと家庭で勉強させる親が多く、放課後はお友達と遊んだり、スポーツや音楽、アートの習い事をしている子がほとんどです。

では、アメリカの子供ってどんな習い事をしているのか? 本日は、こうした習い事のなかでも、生活に溶け込んでいて、沢山の人が日常的に使っているチルドレンズミュージアムという施設をご紹介したいと思います。

 

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