home > Blog > 藤原 さと > アメリカの公立小学校 1年上期の授業内容

こんにちは。藤原さとです。

あっという間に年末ですね。今日、家の大掃除をしました。 娘の学校からもらってきたプリントや課題も色々整理しました。

8月末から約4か月間、どちらかというと娘の英語の対応でアップアップでしたが、改めてもらってきたワークを見ると、なかなかこれは「ロジカルシンキング」を鍛える授業だなぁ、、と思ったので、少しご紹介したいと思います。

■国語 (language Arts)

文章を書いたり、単語を覚えたりするのは、日本と一緒ですが、大きく違うのが読書課題です。毎日20分ほどは読書をすることが推奨されており、本当に毎日読んだ本と親のサインを書いて、先生に報告しなければなりません。親には、“Help your child become a better READER”というプリントが渡され、読みながら以下のような質問をするようにとのアドバイスがなされます。

・主人公はだれか?

・物語の背景は何か?背景は物語の途中で変化するか?

・主人公は、物語の中で、変化していくか?それはどのような変化か?

・あなたは、主人公に似ていると思うか、違うと思うか? それはなぜ?

・この物語の続きに何が起こると思うか?

・本の題名は好きか?嫌いか?理由は?なぜ著者はこの題名にしたと思うか?

・自分が題名をつけるとしたら、どの題名にするか?

・本の中の登場人物の中で友達になりたいのは誰?それはなぜ?

※上記はフィクションに対する読み方で、ノンフィクションに対してはまた違うアドバイスがあります。

help reading

 

もう一つの特徴は、文章や事象を見て、一番伝えたい主題(メインアイディア)を抽出する課題が多いことでしょうか。

たとえば、絵本を読んで、それを3つの文章で要約するワークも頻繁にありますし、下記の写真のようにある絵を見て、その絵の伝えたいメインアイディアを選択するワークもあります。たとえば、写真の5番の問題だと、男の子とキリンが絵に出ています。下記の3つからメインアイディアを選択します。

1)男の子は楽しそうだ

2)キリンは男の子より背が高い

3)キリンの首は長い。

main idea

 

勿論1)も3)も間違ってはいませんが、この絵から伝えたいメインアイディアは2)ですよね。 また、写真の下部に見えますが、古い雑誌から写真を一つ選び、その写真のメインアイディアを書きなさいというワークも出ています。

全ての文章には主題(メインアイディア)があるということを、小さなときから徹底的に叩き込まれます。

 

■算数 (Math)

内容的には、日本の小学校とほとんど同じレベルのことをやっていました。地域によって違うかもしれませんが、娘の学校は基礎演習を沢山やらせるので、比較的日本と似ているかと思います。文章題も似ていますが、全然答えに関係のない情報が文章に混ざっていたりと、トリック(ひっかけ問題)が入ったものもあり、読解力も試されます。ただ、日本のほうが進みが早いので、レベル的には早晩追い抜かされると思います。

下記のワークでは、double fact (同じ数字を足す。2+2、3+3等)を探せというワークが入っているので、掛け算に入っていくのだと思います。また、別のワークではゼロ、奇数、偶数の概念はやっていました。

math adding doubles

 

■理科 (Science)

理科もなかなか論理的なアプローチで入っていきます。

まずはじめに、“I Am a Scientist!” というものから入ります。要は、サイエンスって何?から学ぶのです。これはだいぶ・・日本とアプローチが違いますね。

・I can ask questions. (疑問を抱きます)

・I can predict. (仮説を立てます)

・I can sort. (分類します)

・I can explain. (説明します)

・I can compare (比較します)

・I can measure. (計測します)

・I can observe. (観察します)

・I can record. (記録します)

・I can collaborate. (みんなと協力します)

IamaScientist

 

この後、娘は「私は科学者として○○をします。」というワークを作成していました。

今期は、色々な題材を実際に持ち込んで、「分類」「比較」を主にやっているようでした。

ちなみに、どの科目もそうなのですが、膨大なクラフトワークをやってきます。たとえば、、理科なら・・こんなものも。

skelton

 

■社会 (Social Studies)

社会は、自分の学校から同心円状に広がる社会について、クラフトワークをやった後、地図で、東西南北や、島・山・川・丘・谷などの要素を学んで、地図を作成したりしていました。

Doushinen

 

学期の終わりには、クラスのお友達の国の各国の年末のお祝いについて、冊子を作っていました。国は、イスラエル、インド、ドイツ、メキシコ、ルクセンブルグなど。公立校なのですが、場所柄か外国人が多く、他にもエジプト、ベトナム、オーストラリアの子もいます。20名のクラスですが、どちらかの親が外国人というのを含めると、半分以上インターナショナルなのではないでしょうか。なので、こういうことも出来て、なかなか楽しいです。

Celebrations World

 

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さて、全体的な所感ですが、日本との比較でいえば、顕著に違うのが国語でしょうか。圧倒的に「読解力」「論理思考力」を鍛えるようになっています。日本のドリルは、読解でも、文章の穴埋め問題のようなものが多いのですが、こちらは、主題を考えさせたり、要約をしたり、もう一歩進んでいます。また、文章を書くときにも「今日は○○しました。次に○○しました。次に○○しました。楽しかったです」ではなく、「○○でした。なぜなら○○だからです。」という書き方になります。これは、やはりこちらのほうがいいです。

なので、ウチでは、日本語補習校で書いている日本語の日記も、主題から書くように娘にアドバイスをしています。 たとえば、「週末に植物園に行きました。一番楽しかったのは、水が沢山出る機械で遊べるところです。なぜなら・・」という書き方です。本を読むときも、主題(メインアイディア)を聞いたり、短い言葉で説明させたりすると、主旨を把握する力や、伝える力がアップすると思います。

一方で、「体験」という意味では、日本の学校はとても良かったな、と思います。アサガオを育てたり、プールで育ってしまったヤゴを採ったり育てたり。社会科で近くを回って色々発見することもあるでしょう。こちらの学校は、コストや治安の関係もあるかもしれませんが、プールもありませんし学校外に出ることはほとんどありません。「体験」は親の仕事なので、親がやってくださいね、というスタンスなのだと思います。

日本の「体験」に「思考」が絡めば、いいのにな、、と思ったのでした。

来年、娘はどんな授業を受けるのでしょうか。

もう、年末。良いお年を皆様お過ごしくださいませ。

 

<参考ブログ>

デジタル教材に限界あり? アメリカ公立校でのデジタル教材との付き合い方

http://kotaenonai.org/blog/satoblog_141016_digitalkyozai/

ウチの子供は問題児!?アメリカでの解決方法

http://kotaenonai.org/blog/satoblog_ochikobore_141107/

アメリカでの学校選び

 http://kotaenonai.org/blog/satoblog_150508_usschool/

アメリカ公立小学校の新学期

http://kotaenonai.org/blog/satoblog_140830/

日本とアメリカのPTAの違い

http://kotaenonai.org/blog/satoblog_140907_pto/

 

 

藤原 さと