home > Blog > 藤原 さと > 30年後の未来に子供たちが悩むことは、アイデンティティの欠如!? シンギュラリティについて考える。

藤原さとです。2015年もいよいよ本格始動ですね。

アメリカでも、ウエブで動画コンテンツが沢山あったり、いろいろな技術を使ったサービスがでてきたので日本の映像を見るのに、本当に苦労しなくなりました。 特にアップルTVはiPadやiPhoneの映像を、テレビモニターに映してくれるので、本当に重宝しています。

さて、、そうやって年初に見たNHKスペシャルのNext World 第一回~未来はどこまで予測できるのか~ がとても衝撃的かつ、子供の将来について考えるきっかけとなったので、そのことについて書いてみたいと思います。

 

<30年後の世界では、機械が人間以上の知能をもつ!?>

 

この番組では、2045年のある町で人々が知能端末を身につけ、全て人工知能の未来予測に従って生きている社会をリアルに表現します。友人や恋人、同僚や上司のプロフィールや性格はすぐに調べることができ、相手のリアルタイムの感情も読み取って、だれとどう付き合えばよいか教えてくれます。自分の能力は客観的にデータで提示され、どんな仕事に向いていてどこまで昇進するのかも考える前に全部コンピューターが先に答えを出してしまいます。今日どこで何をすれば、一番効果的な行動ができるかも教えてくれます。間違いは最小限、超効率的な社会の出現です。そんな生活にストレスを感じた22歳の主人公は、一切の端末を捨てる決心をする、、という話です。

コンピューターの計算能力は爆発的な勢いで発達し、すでにその能力は、コンピューターで将棋やチェスの勝負をして、名人を打ち負かしたりするようになっていますが、2045年に、コンピューターの能力が人間の能力を超える「シンギュラリティー(技術的特異点)」を迎えるという未来思想があります。

この特異点をこえると、機械はいずれ人間以上の知能に加え、人間の意識まで持つようになり、技術開発の主人公はもはや、人間でなくなる・・とか。

 

<現在のアメリカでの人工知能の実用例>

 

今、アメリカでは既にヒットミュージックののメロディーやリズムを解析し、人工知能で、どんな曲が売れるのかを予測するサービスがアーティスト発掘に実際に使われています。弁護士の世界では裁判で使用する文書の選定を人工知能ソフトが、的確に(当然スピーディーに!)できるため、逆に弁護士は、そのソフトを使って業績評価をされ、文書を的確に選ぶことのできない弁護士は、解雇もしくは降格という判断になる事もあるそうです。

警察では、過去にあった事件情報をすべて人工知能にいれこみ、事件が起きそうな場所を特定してもらい、そこを中心にパトロールすることで、検挙率を飛躍的に伸ばしています。

まだ実験段階かと思いますが、職員全員にモニターをつけ、職場での一日何をしていたか、しゃべった時間、誰と喋ったか、喋った時の声のトーン等をすべて計測し、ミーティングでの貢献度やリーダーシップを人事評価に使うようなものも考えられているようです。

女性となかなか良い関係性を構築できない技術大好きの男性が、3万人以上の女性のプロファイルを人工知能に入れて、計算ではじかれた女性とデートを続け、ぴったりの女性と出会う・・というものもありました。

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これ、未来の話ではありません。「今」の話なのです。 アップルTVで喜んでいる場合ではありません。。

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<30年前の技術、現在の技術>

 

さて、、上記の話、みなさんはリアルに受け止められるでしょうか。私、実は見た直後はリアルでなかった、、というよりひたすら気持ち悪かったのですが、1日くらいたつと、「あ、、これ(少なくとも技術的には)超リアルだなぁ。」と思うようになりました。

25年前。1989年、海外電話は、日本から米国に平日の昼間に国際電話をかけると、3分間で通話料が1530円でした。しかも音声は良くないばかりか、タイムラグがあり、返事を待たずに相手が喋ってしまうようなありさまでした。でも、今はWifiさえあれば、無料でスマホでアメリカのどんな田舎からでも島からでも日本の家族と、LINEビデオで話せます。

年末に旅行をしましたが、Google Mapが、カーナビの役割を果たすようになり、カーナビは要らないばかりか、事故渋滞情報まできれいに出るようになり、トリップアドバイザーというサービスとの連携で美味しいレストラン、そこでのおすすめメニュー、素敵な眺めの見える場所、観光地で何を気を付けなければならないか(水にぬれるから、ビニールが必要等)まで全部一発で、情報が取れます。

圧倒的な効率の良さは、既に現在進行形です。25年前の私は、今の状況はとても想像できませんでした。

なので、最初に書いたような世界は、なにも突拍子もないことではなくて、今の延長線上に考えて「普通」と思ったほうが良さそうです。逆に過去30年のほうがよっぽど非断続的であり、飛躍的変化が起きたのかもしれません。

 

<30年後、子供たちはどうなっているのだろうか>

 

さて、、私の子供が2045年を迎えるときは30代後半です。その時、娘はコンピューターが選んだ相手と結婚をし(結婚制度そのものがどうなっているか分かりませんが)DNA鑑定で、最適に能力の高い子供を産み、その子の成長予測と、向き不向きをコンピューターで弾き飛ばしながら、子育てしているのでしょうか。

友達と喧嘩をしても、「さっきはいいすぎたな、、悪かったかなぁ。」という相手の声がモニターにでも現れるのでしょうか。。仕事をして、新しいアイディアを思い付いたら、その成功確率がすぐに弾きだされ、マーケティングの方法まで懇切丁寧に全部教えてくれるのでしょうか。私は、技術的には充分あり得ると思います。

自分の能力や性格をコンピューターにまざまざと見せつけられる、その時の彼女のアイデンティティって何なのでしょう。今、みんな「こたえのない世界」で格闘していますが、その「こたえ」が全部計算されて、出されてしまったら!

「われ思う、故に我あり」・・と人間行き着くところまで行きついたら、なんかすごい反動が起きそうな気もしますね。私だったら、島に逃げて、原始生活を始めるかもしれません。

さて、、番組の最後に、「未来予測ツールがビジネスだけでなく、個人の生活に入り込んだとき、私たちは幸福のために技術をどう使っていけばいいのか。人間にできて、機械にできないのはなんなのか?」という問いかけがありました。

一緒に番組を見ていた娘は、「んー、分かった!喋ることだ!」というので、「そんなのロボットだっていくらでもしゃべるじゃん。」と言ったら、「そっか。。あ!分かった!つくることだよ!」と申しておりました。。

さて、娘の言ったことは、正しいでしょうか。そこまでも奪われてしまうのでしょうか。

年のしょっぱなから色々考えさせられました。

 

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ところで、少し宣伝になってしまいますが、3月22日に人工知能の第一線の研究をされている研究者の方にナビゲーターになっていただき、小学3・4・5年生向けにポラリスプログラムを実施します。

今、人工知能(AI)の世界ではグーグルのように、とにかく沢山の情報を集め、確率論で推論させることがメジャーな方法なのだそうですが、この方はとある事象の次に繋がるルールの存在をみつけるという知能(インテリジェンス)について研究をされています。小学生のころはどらえもん大好きだった、とても面白い方です。人工知能という難しい話を分かりやすく、子供が楽しめる内容にします。

プログラムの詳細は >>こちらから

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

追伸:NHKスペシャルのNext Worldは、5回のシリーズで続編があります。次回以降も期待です。

http://www.nhk.or.jp/nextworld/#/about

 

nextworld

 

藤原 さと