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藤原さとです。

最近、自分の子どもを見ていても、忙しい。周りの子どもを見ていても忙しい。ネットで情報を見ていたら、どんどん子どもが忙しくならなきゃいけないような記事に溢れています。

英語もプログラミングも、ロジカルシンキングも・・。加えて受験。特に首都圏、大きな都市では中学受験をする層が増え、公立中学は地域によっては、なかなか厳しい選択を迫られる場所もあるし、小学校受験もなかなかタフなものです。

なんで、こんなにみんな忙しくなっちゃったのか。こんなに忙しい必要があるのか。忙しい事で失うことってないのか。ちょっと考えてみたいと思います。

 

<グロースハックって知ってますか?>

ところで、グロースハックという言葉は聞いたことがあるでしょうか。

グロースハックという言葉は、主にIT系の起業マーケットでよく使われる言葉なのですが、製品やサービスの成長をハック(=新たなやり方で加速する)することです。

グロースハッカーの名前が知れ渡ったのは、2012年のアメリカの大統領選。 共和党のミット・ロムニー陣営は、スタートアップでグロースハックの実績のあるアーロン・ジーンを招き入れ、ウエブサイトのデザインを短サイクルで変更するなどのマーケティング手法を駆使。その結果、1億8000万ドルの献金を集めることに成功したそうです。(参照:http://skillhub.jp/blogs/71

また、フェイスブックの記録的なユーザー獲得に貢献したAndy Johns氏などもグロースハッカーとして有名です。

こうした事業や支持者を急速拡大するための技術というのは非常に魅力的なもので、スタートアップの世界を含め、ビジネスでは重要なマーケティング技術の一つとなっています。

 

<グロースハックの課題>

しかし、このグロースハック、肝心のプロダクト(商品)、サービスの内容が伴っていないのに、無理な成長をしてしまったため、結果としてビジネスが急速に萎んでしまったり、最悪の場合、事業を畳まなければいけないというケースも多くみられており、反省されている部分があります。

Lightspeed Venture Partners のJustin Caldbeck氏は、こういいます。グロースハックの前に、まず商品・サービスのもつプロダクトソウルともいうべき魂の確立が必要だと。その魂とは、プロダクトのビジョンであったり、プロダクトが人々の生活をより良く変えられるという強い信念であったり、プロダクトの成長の原動力だったりします。

Justin Caldbeck氏はさらに、こうしたプロダクトは、初期はオーガニックグロースと言って、そのプロダクトの持つ個性が人の共感を呼び、自然に成長する段階を経るプロセスを経ることが必要と言います。そのプロセスがなく、広告などによる成長の加速を行った場合、それは見せかけの成長であり、プロダクトは化けの皮がはがれ、後になってからどんなに優秀なグロースハッカーを雇っても、結果を出すことはできないと言っています。

 

<子育てにも同じことが言えるのではないか>

子育てとビジネスのアナロジーは正直趣味がいいとは思えなかったのですが、もしかしたら、社会は子どもを「グロースハック」しようとしすぎていないか?とふと思ったのです。

子どもは一人ひとりそれぞれの成長曲線と個性を持ち、何等かの使命をもって生まれてきます。病気や障害を抱えているなら、抱えている子なりに。勉強が苦手でも、スポーツが出来たり、誰とでも仲良くできる子がいるならその子なりに。きれいごとに聞こえるかもしれませんが、どんな子でも生きて生まれてきた価値があり、その価値を社会に還元できるはずだ、というのが私の考えです。赤ちゃんなら、にっこり笑って周りの人を幸せにしたら、それだけで使命を果たしています。

なのに、子どもを「プロダクト(商品)」と捉え、とにかく成長、とにかく成功!という風になりがちです。これはだれが悪いというのではなく、社会・学校・塾を含む数々の教育サービス・親・・みんなが作り上げてきた環境そのものですが、これは子どもにとっては、「知ったことじゃない」し、迷惑千万なのではないかと感じることがあります。

一旦子どもを「プロダクト」だと考えてしまうと、多機能なほうが便利そうなので、「英語」「プログラミング」「学歴」・・などどんどん追加したくなってしまいます。勿論私たちのやっている「探究力」も人間の機能の一部として捉えてしまうと同じことです。

でもこれは、社会の罠なんではないかと思うのです。ぼんやりしていると、周りの環境の問題だから罠にまんまと引っかかってしまう。

ここで、前述のCaldbeck氏の言葉に戻ります。プロダクトには何よりもまずソウル(魂)が必要で、グロースは二の次だとしていますが、彼の言っているプロダクトソウルについて改めて書きます。

 

―創業者が創出したいと願うプロダクトのビジョン

―プロダクトが人々の生活をより良く変えられるという強い信念

―プロダクトを素晴らしく、使いやすくするためのたゆまぬフォーカス

 

子どもをプロダクトに見立てるなんて、改めて趣味が悪いと思いますが・・・、子どものソウル(魂)を認めて、ビジョンを持ち、継続的にその魂を支援する・・ということは、ビジネスも子育てもあまり変わらないのではないかと思うのでした。

 

<オーガニックグロース子育てのススメ>

上述のように、ビジネスですら、その本質を見極めないままの無理な成長加速は、事業の死を招くとされています。

いわんや、子育てでも同じことが言えるのではないかと思うのです。子どもたちはそれぞれにソウル(魂)を持っているはずなのに、それが尊重されず、グロースばかり求められたらどうなるでしょうか。

また、ビジネスでも正常なオーガニックグロースを経たうえで、はじめてグロースハックが意味を成すとされています。同じように人生の初期段階では、自分のソウルを大事に大事に成長させ、自分で加速させても良いと判断できるようになった時点で、自分で自分自身を存分にグロースさせればいいのではないでしょうか。

ビジネスの場合、失敗すれば、また一から出直しもありますが、人間の人生、同じようにはいきません。

子どものころは、自分のソウル(魂)を開放し、発揮し、大切にする時間が必要。そして、その時間は忙しい現代だからこそ、大人がきちんと確保しなければいけない。

自己反省も含め、そんなことをぼんやり思った夜でした。

今日はこの辺で。

 

organic growth

 

藤原 さと