home > Blog > 藤原 さと > 好きなことを仕事にできない人のメカニズム

 

こんにちは。藤原さとです。

 

久しぶりに風邪をひきました。アメリカに来てから一度も大きく体調を崩したことはなかったのですが、2週間前に娘がインフルエンザ、その後夫の風邪、娘がまた胃腸炎と続き、私だけ持ちこたえていましたが、、、娘の胃腸炎がうつってしまいました。。さすがに何をする気にもなれず、久しぶりに昼間にベッドで過ごしました。

そんな中、ふと「好きなことをすれば幸せか?」ということについてモヤモヤと考えていたことをまとめてみたくなり、文章にしてみました。若干刺激的なタイトル失礼いたします。。

 

<好きなことを仕事にすれば幸せか?>

 

さて、「好きなことを仕事にすれば幸せか?」ですが、これは、いろいろな意見がでますよね。

 

ネガティブなものとしては・・

 

「好きなことを仕事にした人の多くが後悔しているらしい」

「好きなことを仕事にしてもやりたいことができるわけではない」

「趣味を仕事にすると好きなものも好きでなくなってしまう」

「好きなことをしようとすると給与が極端に下がってしまう」

 

たくさん出てきます。

 

一方、ポジティブなものとしては・・・

 

「自分が愛せる、情熱を注ぎ込める仕事を見つけなさい」(Steve Jobs)

 

という言葉に代表される通り、人生で成功を収めているかに見える、「幸せな人」は間違いなく、全員が「好きなことに打ち込むことが重要」と口をそろえて言います。私たちのプログラムのナビゲーター(講師)として登壇してくださる方にもインタビューをよくさせていただきますが、ほとんどの方が、同様のことをおっしゃります。

こちらのメッセージはばらつきがなく、非常にシンプルです。

これはどういうことを意味しているのでしょうか?

これは、「好きなこと」をしているからといって「幸せ」とは限らないけれども、「好きなこと」をしないと「幸せになれない」ということ。つまり、「好きなことをする」というのは「幸せ」のための必要条件ではあるけど、十分条件ではないということでしょうか。

では、何がそろえば、十分なのでしょうか。

 

<WILL・CAN・MUSTの輪、知ってますか?>

 

ところで、「WILL・CAN・MUSTの輪」はご存知ですか?就職活動の文脈で、よく出てくる考え方のようなのですが、これは私の経験からも実感値にとても近いので、少し考えてみました。ちなみに、WILL・CAN・MUSTはそれぞれ以下の通りです。

 

「WILL」=好きなこと

「CAN」=できること

「MUST」=社会にもとめられていること(しなければならないこと)

 

「仕事上で」幸せになるためには、これら一つ一つが輪だとし、3つの輪が大きく重なれば重なるほど、やりがいを持ちつつ、成長できるとされています。

 

WILLCANMUST BASIC

 

 

私のイメージだとA/B/Cの重なり合った部分が「幸せスイートスポット」です。

私が知る「「好きなことに打ち込むことが重要」という人たちは、間違いなくこのスイートスポットにいます。では、逆に好きなことをしても、幸せ感を感じられないケースとはどういうものでしょうか。

一つには、BとCが重なっているけどAが重なっていないケースです。

 

WILLCANMUST WILLISOOUT

 

これはたとえば、サラリーマンで、好きな仕事と重なっていないケースでしょうか。会社に求められている仕事をしているので、お給料はもらえるし、お給料がもらえるのはそれだけの価値を提供しているから。でも、充足感が無い、とう状況でしょうか。もちろん、仕事だけがすべてではないので、幸せを他にみつけるということは可能です。

 

次は、このケース。

MUSTISOUT

 

これは、好きなことをしていて、ある程度できることもあるけど、「誰にも求められていない」もしくは「社会のニーズとマッチングができていない」状況です。これは、特に芸術分野などで売れていないケースもあるでしょうし、起業してみたけどニーズがなくて苦労している状態も入るかもしれません。逆に言えば、ビジネスマンというのは、CをAとBにマッチングさせるのが上手な人たち・・ということになります。

あとは、AもBもCも重ならないとか、AとCが重なるけど、Bが弱いとかいろいろなケースはありますが、みなさん想像がつくと思うので、ここでは割愛します。

 

<好きなこと・できることを増やすことが重要>

 

さて、こういう話になると、「自分の好きなことを探そう!」というモードになってしまうのですが、そうは問屋が卸さないのではないか、、というのが私の考えです。

というのは、人によって、「好きになれるものの幅」「できることの幅」が違うからです。

 

もし、「好きになれるもの」の範囲が極端に少ないとどうなるでしょう。

 

WILLCANMUST WILLISSMALL

 

「幸せスイートスポット」が非常に小さくなってしまいます。そうなるとここに当てていくのが難しくなってしまうのです。

これでは、Bのできることの輪が大きくても、「しあわせスイートスポット」は小さくなってしまいます。

そうなると、どんどん幸せになる可能性が小さくなってしまうのです。

 

 

<学ぶことによって人は自由を獲得する>

 

せっかくなのでここで教育に話を戻します。結論から言ってしまうと、私は、「教育は、自由を獲得するためのものである」という考え方に非常にしっくり来ています。この辺は以前ブログに書きました。

 

私のイメージだと、「しあわせスポット」が広いことが「自由」を感じること、そして更には「しあわせ感」につながります。

そして、幸せになりたいのであれば、このスポットを広くるしかないのではないかと感じています。

では、どうやったらこのスイートスポットを広げられるのでしょうか。

 

要約すると私は以下の3つかな、と思っています。

 

① Aの輪を広げること:

つまりいろいろなことを好きになれる、もしくはいろいろなことに好奇心を持って接することのできる力をつけること

 

② Bの輪を広げること:

できることを増やすこと。それは、読み書きそろばんや、最近では英語、プログラミングなどもあるでしょうし、また「こたえのない学校」で扱うように、「こたえのない課題」に対応できるような力をつけていくことや、当然のことながら、仕事を始めてスキルを身につけることも含まれます。

 

③ Cの輪をA・Bの輪とマッチングさせる力をつけること:

A・Bの輪と違って、Cの輪の中身はあまり個人が動かせるものではありません。そうなると、Cのことをよく知り、A・Bの輪とCの輪を重ね合わせていく技術が必要です。ここがよく言われる「食える力」です。もしくは、Cなんて関係ない、現世で認められなくてもいいから、自分の道をまい進したいのであれば、まい進するだけの強い気持ちが必要です。

 

WILLCANMUST BASIC

 

結局、みんなが今の学校教育で違和感を感じたり、不安を感じたりするのは、以下の3つの理由が大きくあると思います。

 

① 学校に、Aの「好きなこと」を増やしたり伸ばしたりするような好奇心育てるような仕掛けがなく、むしろ「しなければならないこと」でいっぱいにして、子どもの「好き」の気持ちを押し殺してしまうようにみえること。

 

② Bのできることを増やしていくにあたって、学校のカリキュラムがCの「社会に求められること」からズレてしまって、無駄が多いこと。

 

③ AとBの輪をCに重ねていくような経験や実践の機会が極めて限られていること。

 

戦後は、Aの「好きなこと」もへったくれもありませんでした。社会がBを定義し、BとCが重なっていれば、食べていけるという環境を作り出し、Aはそこそこでも経済が成長し、人々は、そのはざまの中で、仕事外での小さな幸せを見つけながら一生を過ごす人も多かったのだと思います。

でも、時代は変わりました。Cをよく理解し、A・Bを育て、「しあわせスイートスポット」を大きくする努力を個々人がしなければ、食べていくことすら難しい時代になりました。Cは昔は10 年程度では大きな変化がありませんでしたが、今は時代の流れが速くて、5年後、10年後の社会のニーズの予測さえも極めて難しくなっています。

そうなると、私たちのできることは、Aを大きくし、BをCに沿う形でできるだけ大きくし、スイートスポットを大きくしていくことにつきるのではないかと思うのです。

 

人は失敗します。病気になることもあるかと思います。また、不条理なことが起きて思いもよらない事態に陥ることもあるかもしれません。でも、そんな時に備えて、一人ひとりがスイートスポットを大きくしておいて、不測の事態に備えておくということをしていくことしかないのではないでしょうか。

もしかしたら他にもっと効率のよいやり方もあるのかもしれません。でも、歩みが遅いように見えて、こうした地道な努力の積み重ねが「自由に生きる力」を生み出すのではないかと思う今日この頃です。

 

ということで、きょうはこの辺で。

 

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藤原 さと