「ロボットの未来はどうなる? 東工大発ロボットベンチャーHibot 取締役北野菜穂さんと考える」を開催しました。
のび太くんの世話役をするロボットとして未来から送り込まれたドラえもん。 そのドラえもんが始まってから45年がたちました。 この間ロボットは驚くほど進化してきました。 そもそもロボットって何だろう? なぜロボットが必要なのだろう? 目まぐるしく変化する中で、これから求められるロボットはどんなものでしょうか。 未来のロボットについて考えてみました。
ロボットという言葉は、1920年にチェコで劇を書く人(カレル・チャペク)が考えました。“Robota”とチェコ語では呼ばれましたが、もともとは強制労働の意味で、人間がやりたいない仕事をやるもので、日本では「人造人間」と訳されたそう。
ロボットに明確な定義はないが、言われているのは…、
—動くもの(駆動する)
—コントロールできるモノ(知能・制御)
—何かを感知できるモノ(センサ)
それに加えてあるとしたら、
—「 」ができたらいいな!
最初に、みんなから身のまわりにある自分の思いつくロボットを言ってもらいました。
「ドラえもん」「ロボニャン」「ロボット妖怪」「はやぶさ」「火星探査車」などいろいろな意見が出てきました。
共通点について考えてみると
–動く(自動で・人間みたいに)
–音がする
–自分で考えて行動する
–スイッチがある
–人とアンテナで通信できる・・・などたくさんのアイデアが出てきました。
一方で、「理由があるからロボットがある」「生活を便利にする」「人間にはできないこと、危険なことをできるようにしてくれる」「ロボットは未来に役立ってほしいからつくる」「人間の設定したことしかやらない」などの意見も。
北野さんがロボットについてわかりやすく話してくれました。
ロボットをつくるには、目的がある。次のような組み合わせはどうだろう?
—ロボット+掃除
—ロボット+ドア
「自動ドア、リモコン付きドアはロボット?」
「エスカレーターはロボット?」…楽チン、上の階に行くにはどうしたらいいかを考える
「洗濯機もロボットになるか?」…便利、使いやすい、時間が短くなる
今ある新しいロボットとして、へび型ロボットを見せてくれました。
子どもたちは本当に興味津々。つくるにあたって、「へびはどう動くんだろう?」を調べるため、実際のへびを凍らせていろいろ調べたとか。蛇のからだにうろこがあり、くねくねするとそれが地面にこすれて動くそう。
ある電力会社の電線の調査で使われているそう。電線の上は高くて危ない。それをロボットが担ってくれた。
その後は、「未来のロボット+私たちの生活はどう変わる?」をチームに分けて探究し、プレゼンテーションをつくる作業。
そしていよいよ発表。
1班で出たのは、「空を飛べるロボット」「テストで100点を取れるロボット」「階段を上れるロボット」「1人で留守番していると一緒に遊んでくれるロボット」。
2班で出たのは、「重いものを持ってくれるロボット」「言い訳をしてくれるロボット」「子どものお迎えをしてくれるロボット」「危険からガードしてくれるロボット」「家を守ってくれるロボット」。
3班で出たのは、「何かをつくってくれるロボット」「何かを運んでくれるロボット」「教えてくれるロボット」「楽しくしてくれるロボット」「安全になるロボット」。
ただ、ロボットを考えるだけではなく、それがあると何がいいか、何が悪いのかを考え、発表してくれました。
子どもたちの発表を受けて北野さんがお話ししてくれました。
—自分の困っていることを考えることも大事だけれど、自分以外の人が困っている人のことを考えるのは大切ではないか、誰かのためのロボットを考えてみるのはいい視点。
—「戦争ロボット」が議論に上がっていたけれど、ロボットをどう使うかは君たちが考えていかないといけない。
—何かいいなーと思ったらつくってみる、それが世界を変えることにつながるのではないか。
貴重なお話をいただきました。
最後は修了証の授与をして終了となりました。
これからも注目され続けるロボットとヒト、ヒトの生活。真剣に考え、議論したのでした。
ご参加ありがとうございました!
<プログラム参考情報>
Central Idea: ヒトがモノを変え、モノがヒトを変える
Lines of Inquiry:
1)ロボットってなんだろう
2)ヒトとモノの関係を考えてみよう
3)モノをつくるということ(ものづくりの目的)
Learner profile:
Thinkers (考える人)
Balanced (バランスのとれた人)
Inquirers (探究力のある人)
Key Concepts:
1))関連・影響(connection)
2)責任(responsibility)