home > Blog > 藤原 さと > 慶應大学の学生は小学校の時に何に夢中になっていたのか?~長谷部研究会を訪ねて~

 

こんにちは。藤原さとです。

 

帰国中、ご縁を頂き、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)の長谷部葉子先生の研究会にゲストとしてお邪魔してきました。

アフリカ・コンゴでの小学校運営や離島「口永良部島」での教育プロジェクト、ヤングアメリカンズプロジェクトなど、さまざま教育領域でのリアルプロジェクトに取り組む長谷部葉子研究会。

教え子たちが「先生と出会った人は皆、人生という『大舞台』の主役になる」と言うように、授業では「自分のカタチ」について深く思考することが求められます。「SFCのビックママ」と呼ばれ、これまで多くの有望な若者を社会に送り出してきました。

そんな長谷部研究会の当日のテーマはなんと、ズバリ「教育を考える」!

自分が思い浮かべる教育とは?自分に影響を与えた教育とは? あなたの実現したい学校は? テンポよく、どんどん考えさせる授業。 その中で、「こたえのない学校」そして「答えのない問い」についてもみんなで考えるという場も作っていただき、本当に貴重な体験をさせて頂きました。

そのなかで、子供の頃の”遊び”がどれだけ重要で、それが大人になってからも生きてくるのかということを改めて認識しましたので、皆さんと共有したいと思います。

 

<長谷部研究会の学生さんに質問してみました>

 

授業後。長谷部研究会では毎週課題を出していて、ゲストからの出題をして良いとのことで、お言葉に甘えて研究会のみなさんに質問をさせて頂くことにしました。私からの質問は以下の3つです。

******************

◆小学校中学年、高学年のころに大好きで夢中になって取り組んでいたことはありますか?もしくはありませんか?あるとしたら、それはどんな事ですか?

◆夢中になって取り組んでいたことがあった理由、もしくはなかった理由を教えてください。

◆2の理由が今の自分に影響を与えていますか?与えているとしたらどのように影響していますか?

*******************

 

後日、みなさんの回答も是非共有をして欲しいとこれまた厚かましいお願いをして、頂いた35名分の回答。 その驚きの内容は以下です!

 

<長谷部研究会の学生が小学校時代に夢中になっていたのは?>

 

まず、1問め。小学校中・高学年で夢中になっていたことがあるかどうか?です。

結果はなんと100%が“夢中になっていたことがある”!

私は実は、夢中になれることがない小学生時代を過ごした人が20%前後いるのではないかと勝手な想像をしていたのですが、さすがの回答です。

 

Q1夢中になっていたこと

 

次に、夢中になっていたことのその内容を教えてもらいました。

Q2 夢中になっていたことの内容

 

これも、驚きの結果。 「遊び」が60%!

具体的な内容は多岐にわたっており、キックベース、ドロケイ、おしゃれ、折り紙、ジグゾーパズル、お昼休みの遊び、TVゲーム、カードゲーム、手紙交換、鉄棒、ドッジボール、お菓子作り、シール集めなどなど。しかも非常に身近な遊びがほとんどです。

次に多いのが学校活動で14%。サッカーや陸上などを一生懸命やっていたそうです。

意外と少ないと思ったのが習い事。バレエやテニス、ピアノなど。

 

そして、少なくて驚いたのが、「勉強」。小学校中・高学年というと、中学受験をしていた学生さんも多いのではないかと想像しますが、“夢中になったこと”ではなかったようです。ただ勉強と言っても、テストなどを指す場合と純粋に算数・数学が好きで夢中だったという回答もあり、後者は限りなく“遊び”に近いものだと思われます。

そして、「その他」は“日誌を書く”、“文字を眺める”などの日常に近いものです。これももしかしたら本人的には“遊び”に近いものかもしれませんね。

・・・となると、大多数の学生さんが“遊び”に夢中になっていたということになります。どうでしょう。意外でしたでしょうか。

 

<小学校時代夢中になっていたことは今に繋がっているか?>

 

次は小学校時代夢中になっていたことは今に繋がっているか?ですが、こちらの結果は以下の通りです。

 

Q3 夢中になっていたことの影響

 

これは9割以上の方が、小学校時代の自分と大学生としての自分をリンクさせているということですね。この数値も私が予想していたより高いものでした。

そして最後に、“その影響がポジティブなものだったか、ネガティブなものだったか”という問いです。これは、定性的な回答を数値化させていただきました。結果は以下のとおり。

 

Q4 影響はポジティブか

こちらの回答はポジティブが63%、ネガティブが8%、どちらでもないが23%でした。

ポジティブだった理由としては、

“集団で一つのものを創り上げるのが好きになった”

“間違いなくテレビゲームから学んだ。新たな世界観や価値観、新しく漢字を学び、喜怒哀楽に共感した”

“自分で面白そうと思ったことは自分でやってみること”

“相手の動向を観察し、ちょうどいいタイミングやポイントを見計らうことができるように”

“人に喜んでもらえるのが好きだと分かった”

などなど・・・。

 

一方で、意外と多かったのが“どちらでもない”という回答。こちらは、一言で言うと“もともとこれが自分の性質だったんじゃないの?”というものです。でも、こうして振り返ることで、“自分が何が好きか”に気付くことができるのかもしれません。

最後にネガティブな回答をした人も若干名いました。この回答の背景は夢中になっていたことはバラバラなのですが、なぜ夢中になっていたか?の回答が全員共通していました。具体的には、“承認欲求が満たされる(褒められる)から頑張った”、“成功したかった”というものです。これはたまたま回答をしていた時に思い出した事項にも影響されると思いますが、なかなか考えさせられる結果となりました。

 

 

<子供の時に主体的に夢中になってやったことが大人になって生きてくる>

 

実は、私自身この問題を出しておいて、自分でも回答してみました。

初めに頭に浮かんだのは、嫌々中学受験をやらされている暗い気持ちの自分。(本当に嫌だったのです)夢中になったことなんてあったけな?? でも、そのうち思い出してきたのは、自分の部屋を模様替えするのが大好きだったことでした。インテリア雑誌を切り抜き、茶色の本棚を色が気に入らないからと白のラッカーでシンナーの匂いをプンプンさせながら色づけしたり、壁紙を選んだり、好きな生地を選んでベッドカバーや枕カバーなどをミシンで縫っていたことを思い出します。

その時は正に“夢中”。私の親も部屋のあちこちにペンキがつき、シンナーを沢山吸っている娘を良く見守ってくれたものだと思います。

そして、それが今の私に繋がっているかというと妙に納得するのです。具体的には“イメージしたものを具現化するプロセスそのものが楽しい”というのが大きくなってからの私と完全に一致しています。今やっていることも・・、実は基本全く同じです。

もしかして私は仕事をしているつもりで遊んでいたのか!??

これは私にとっても大きな発見となりました。

 

<どんなこども時代を過ごすといいのだろう?>

 

こうやって、結果をみてみると、以下の2つのことが言えるかと思います。

 

◆子供時代に夢中になってやったことが大人になってからの自分に繋がる

◆夢中になってやったことの題材は特別なものでなくてよくて、ごく身近なものから子供たちは学ぶ。特に遊びの要素が子供を育てる。

 

落穂ひろい

 

長谷部研究会はもともと「自分について深く考えさせる」研究会なので、こういった結果になったのかもしれません。他で同じアンケートをしても(仮に同じ大学だったとしても)同じ結果が出るとは限りません。

でも、これはまさに「自分について考える」ことを学んでいる学生が出した回答。ここから学ぶことも大いにあるのではないかと思うのです。

長谷部先生は、「学び」には「遊び」の要素が不可欠で、強調してもしきれないほど大事なものだと指摘されます。

是非、みなさんも自分の小学校時代を振り返ってみてください。その時に夢中になっていたことの中に必ず、自分が好きなこと、自分が今も夢中になれることのヒントがあると思います。

嫌々やったことって、そんなに身につかない。自主的に遊んでいるように動いているときが子供は一番学ぶのであれば、「学び」もそのようにデザインしていくべき。 私たちのプログラムとしても「遊び」の要素をふんだんに入れることは、今までも非常に意識して取り組んできたことですが、今回の経験を通して、またより一層確信をもって、心をこめてやっていこうと心を新たにしました。

 

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