home > Blog > 藤原 さと > アジアの人に対して、上から目線なのは、日本人だけ?

さとです。今週水曜日のクローズアップ現代、「アジア労働者争奪戦」を見て思ったことを書いてみます。

成長を続けるアジア各国で労働力不足が深刻化していて、東京オリンピックの特需が見込まれる日本も例外ではありません。そこで、日本がベトナムやミャンマーでの人材確保を進めているが、韓国や台湾のような良い条件を提示できず、苦戦しているとのこと。

番組ではどちらかというと制度にフォーカスしていました。つまり、台湾が長期滞在を認めたり、韓国が政府が窓口となって、未払い賃金、雇用保険、失業保険、労災などの基礎的な労働条件の保障を行っている一方で、日本は対策が遅れている。中間業者がバラバラと外国人労働者を確保し、強制労働の温床になっている日本の制度上の問題が、労働者獲得に後れを取っている原因だという内容です。

でも、私はそれ以前に日本人がこうしたアジア諸国の人たちにもつ「マインドセット」がこうした問題に深く影を落としているように感じました。

そもそも「労働者」という言葉を持つ響きそのものに、「能力のない人」「やりたくないことを押し付けられる人」というニュアンスがあります。就業者とか何でもいいですが、もっと良い言い方があるかもしれません。「アジアの他国に対する上から目線」に率直に違和感を感じました。

私は、2012年からミャンマーにおける検診事業の立ち上げのために、2年ほどの間に5回同国を訪れました。そこで見たものは、行くたびに携帯が入り、道が整備され、目に見えて変わっていく人々の暮らしであり、日本のトップ企業にも負けないくらいの効率性を持って土日も夜も仕事をするリーダーたちでした。限られたインターネット回線を使って一生懸に勉強したり、隙あらばビジネスを始めようとしている沢山の若い人たちにも多くの刺激をうけました。彼らの突き上げるようなパワーを前に、正直「このままでは負ける」と思ったものです。

実はかくいう私もミャンマー入りをする前は、手取り足取りやらないと何も動かなかったらどうしよう、と非常に心配したものです。しかし、結果は、ミーティングで大枠を決めると、現地の人が主体的に動いてくれ、スピーディーに物事が動きます。契約書の作成もアメリカ企業とやるのとほとんど同じ感覚で進みました。正直日本企業を相手にしているより早かった、のです。

逆に、ミャンマーの人に言われたのが、「韓国もインドもアメリカもどんどん私たちに営業をかけてくる、彼らはとってもガツガツしているけど、日本人はとてもdecentだね」という評価でした。Decentとは、品が良いとか慎み深いとか良い意味ですので、当の本人は褒めていたつもりなのでしょうが、彼らの目線は、既に「下から目線」ではありませんでした。対等なパートナーとしてどの国を選ぶかというフェーズに入っているのです。

アジアのトップとして日本が君臨していた(?)時代はとっくに過ぎています。アジアの人たちと接するにあたって、対等な目線で接しないと、日本は本当にそっぽを向かれる国になってしまいます。

今後の日本の人口構造をみても、高齢化が進み若年層が減る日本は他の国とうまく協業していくことが必須です。アジアの国々と良い形で連携していくことは至上命題です。もっともっと交流を深め、相手のことを知ること、そして等身大の自身を知る事はやはり必要だなぁ、、としみじみ思ったのでした。

<ヤンゴン近郊の村の写真>

ヤンゴン近郊の村

<医科大学の学生たち>

マンダレー医科大学

さと

藤原 さと