「TEDxプレゼンター、山本恭輔君と一緒にプレゼンで人の心を動かしてみよう!」を開催しました。
山本君は、小さいときにPixarのアニメーション映画を見てCGに魅せられ、医療現場でのデジタル技術に興味を抱きました。中学2年生のときには、株式会社ワタミ主催『第2回夢アワード』ファイナル、TEDxOsaka2012等に出演しました。NHK主催のトークイベント「TED meets NHKスーパープレゼンテーション」では、8人の登壇者のうち、ただ一人スタンディングオベーションを受ける。中学3年生のときには、少年の主張全国大会にて最優秀の内閣総理大臣賞を受賞しました。
子どもたちは山本君と一緒にどんなプレゼンをつくったでしょうか。
プログラムがいよいよスタートです。
まずはアイスブレイク。新聞紙で大きなわっかを作り、グループで手をつないでそのわっかをくぐりました。「道具を使っていいの?」と言いながら、途中で破れてしまうと「もう1回頑張ろう」といろいろにぎやかに声を挙げながら作業しました。最後のグループが5分の制限時間内に終わると、拍手が自然と起こりました。
最初は山本君から「プレゼンテーション」についてのお話。
TEDのプレゼンテーションを見てから説明。楽しくて、人の気持ちを動かし、情報を提示して理解、納得してもらい、共感を得て相手を変えていく、その中で自分も変わっていく――山本君の説明を子供たちは真剣に耳を傾けます。
今日のお題は、「旅行プランコンテスト」
4つのグループに分かれて、いろいろな風景写真の中から1枚を選び、旅行プランを立ててプレゼンするということ。
いろいろな写真が並んでいて、いろいろ話しています。
子供たちは何を選ぼうか、グループ内でも意見が分かれつつも、最後は意見を調整したり、一番グループ内でも小さい子の意見を聞いてあげたりしてグループごとに次のような写真を選びました。
ポストイットにどんどん思うことを書いていって、それを3つのグループに分けるように山本君からアドバイス。
山本君はそれぞれのグループの机を回り、「みんながここに行きたいと思ってもらえられるように、伝えられるといいね」「ここだと何を食べるのかな」「この旅館の後ろには何が広がっているのかなー」と子供たちが書いたものを見ながら、さらに想像を膨らませるように優しくアドバイスをくれました。
その後は、PUNCHのお話。
PはPersonal(個人的)、個人的な体験を話すと人はひきつけられる。
UはUnexpected(予想外)、思いがけないことに魅せられる。短い動画で実際の例を見せてくれたのですが、ここでは人間の本物の脳を会場に持ってきて説明していて、会場にもどよめきが起こり、動画を見ている子供たちも、思わず「えー」と声をあげてしまいました。まさに予想外!
NはNovel(斬新)、人がやらなかった方法を使う。
CはChallenge(チャレンジ)、挑発的な質問で相手に興味を持たせる。
HはHumor(ユーモア)、ユーモアも効果的です。
その後、プレゼンの条件が示されました。
グループに分かれて議論し、プレゼンを作っていきます。
次に、プレゼン資料の作り方を説明。「たくさん書くより一目でわかるわかり資料の方が効果的」だそう。
作業に入って、原稿を作り上げる段階ですが、グループを見ていると、まだまだどんどん話が広がってしまいます。
「実在しない国でもいいよ」と山本君のアドバイスを受けても、この写真をどこの国にするかなどの議論が続いたり、どうやってここに行くかにこだわったり。
「この中で、どれを使うかしぼっていこうね」とつかうかしぼっていこうと」と声をかけてくれました。
それぞれ教室の隅にいって、時間を計ったりでしながらプレゼンの練習をなんとか始めました。
本番はどうにかなりそうでしょうか。
それぞれのグループの発表がスタート。
<その1>
アメリカのNYに行ったら、食べ歩きしたらというツアー
実際の体験を交えながら、「日本のドーナッツは、食べるとしっとりしているけれどアメリカの-ナッツは砂糖のジャリっとした食感でとても甘い」アメリカのピザがどれだけ大きいか、コーラがLサイズどれだけ大きいか、具体的に数字や絵を使って説明した。安い、大きいが伝わりました。
<その2>
冬休みに疲れた体を癒したい温泉ツアー
まずはTCSから大分の旅館までどうやって行くのか旅行の日程を説明。謎の写真は温泉まんじゅうなのかうどんなのか。絵を見せながら旅館から緑の中をウォーキング。茂った緑から空が見えるそう。そしてそれを癒してくれる温泉。健康で美味しい旅が楽しめる。
<その3>
いなかと都会
この写真はアメリカとして、アメリカにはサンフランシスコなどの都会とグランドキャニオンなどの自然が共存することをいろいろな都市の名前を挙げながら、説明。1か月のツアーでも退屈しないそう。タイガーラビットという動物が見られるかもしれず、海では魚をとって、山では馬で動物を狩って食べられる。壮大な夕日の写真はアメリカのどこか。
<その4>
提案したのはモンゴルツアー。羊がたくさん草原にいる写真を見せてくれながら、モンゴルの説明。できることは、いろいろあって、羊に餌をやる、馬と散歩、馬と水浴びする。雨が降ったら、ゲルで民族衣装を作る。
山本君からは、実際の体験を話したり、食べ物の写真から想像を膨らませたりしてとてもよかったと話をいただきました。
最後に山本君よりプレゼンについてお話。プレゼンを通して自分の考えを表し、多くの人から意見をもらい、フィードバックを受ける。人を変えて自分も変わっていけるとか。
山本君はプレゼンを通して、自分をしたことで自分の世界が広がり、いろいろな人と会うようになったとか。
子どもたちは心を動かすプレゼンについて真剣に考えたのでした。
ちなみに、同時並行で山本恭輔君のお母様の協力を得て、「山本恭輔君 母の会」を開催しました。
自ら考え行動する山本恭輔君のような高校生をどう育てたのか。次の3つに気をつけたのだそうです。
-環境
いい環境で教育を受けられるように情報収集し、可能性を広げる。
―継続
一つのことを続けるようにした。小学校の自由研究も6年間牛乳パック制作に取り組み、年々進化し、賞をもらったとか。
-伴走
ICTなど最初から一緒に使い、学校で学んできたことはいつも話してもらうことにした。人に話すことで本人も整理される。
いろいろと質問も出て、活発な議論が行われたのでした。
<プログラム参考情報>
Central Idea: プレゼンテーションは人を動かし、自分を動かす
Lines of Inquiry:
1)対象物の構造化(特徴・機能・応用・関連性・ストーリー等)
2)プレゼンテーションのコアアイディア
3)人を引き付ける要素(PUNCH)
Learner profile:
Communicators (コミュニケーション力のある人)
Thinkers (考える人)
Principled (信念のある人)
Key Concepts:
1))特徴・構造(form)
2)理由・原因(causation)
3)機能(function)
4)関連・影響(connection)