home > Blog > プログラム報告 > 「テレビ局のお仕事ってなあに?」開催しました!

7月27日の夏休みの真っ最中ですが、「テレビ局のお仕事ってなあに?」を開催しました。

日本テレビ放送網(株)で14年報道のお仕事をされてきた林恭子さんに取材や構成などのテレビ記者の仕事の基本、「伝える」ことの魅力・むずかしさ、子供の頃のお話をしていただき、その後「情報は人にストーリーとして伝わる」をテーマに実際にニュースを作成してもらいました。

今回、年齢が上の子たちが多かったので、少しチャレンジングなワークにしてみました。林さんの事例は、ウクライナの墜落事故、ワークの1つ目は一コマ漫画、2つ目は、9.11の映像を見て、ニュースを組み立てました。

では、まず林恭子さんのお話のハイライトから。

・高校生の時にニュースに興味を持った。特に海外で起きていることが日本にいながら映像として見られるということ、当事者の言葉や表情をそのまま伝えられることに魅力を感じた。
・ニュース―の仕事は何か?それは簡単に言えば「自分たちにとって、自分たちの生活にとって、ちょっと大切なことをみんなに伝えるということ」
・子供の頃、林さんはどうだったかというと・・ 朗読が好きで得意、作文が好きな女の子でした。得意なことが将来したい仕事になるように必要なものを伸ばす勉強が必要だね、というお話をしてくださいました。

林さん説明

さて、次はいよいよ記事の作り方。例はつい10日前に起きたウクライナ飛行機事故です。まず出来上がったニュースをみんなでみました。Google Mapで、位置も確認します。

ウクライナニュース

Ukraine map

ニュースを伝えるときはいろいろな側面から情報を集め、取材します。
・いつ墜落したのか?
・場所はウクライナのどこ?
・原因は故障?操作ミス?誰かの攻撃?
・乗っていた人の安否?

コツは、とにかく考えうる限り、ありとあらゆる「疑問」をあげるということです。「疑問」が浮かべば調べられます。逆に「疑問」がなければ調べることも出来ません。

また、もう一つ真実に迫る方法は、「反対の立場の人の話を聞く」です。物事にはいろいろな捉え方があります。物事というのは同じものをみていても、その人が立っているところによって、見え方が違います。同じコップをみても正面から見ているAさんと横から見ているBさんのコップの形は違います。色々な角度から見ないと全体像はつかめません。

コップ

今回、「新ロシア派」と呼ばれる人たちがやったと言われていますが、そう断定してしまっていいかは分からない、取材は今も、これからも続くことを教えてもらいました。

さて、、いよいよ次は林さんから教えてもらったやり方に従って、ニュースをつくってみます。(今回は実際の調査はできないので、疑問をたて、仮説を立てるところまでに絞ってワークをおこないました。)

一つ目のお題はこれ!

田中さんの絵

笑わないでくださいね! 田中光さんの一コマ漫画です。一見意味不明の謎の絵ですが、この絵からできる限りの疑問を出して、それをストーリーとして組み立てます。

林さんから教えてもらったのは・・
・自分の中に生まれた「疑問」を大事にすること
・次に、いろいろな立場で考えること
・最後は自分の言いたいことを決めること

です。

疑問をどんどん書き出し、5W1Hに分けて分類、ストーリーに組み立てます。

結果2チームでそれぞれ違う未来のニュースが生まれました。

1チーム結果
「男の人は30歳くらいで、お母さんが日本人、お父さんが宇宙人のハーフ。UFOはお母さんが運転。男の人は沖縄にある実家から東京に来ている。おじさんは会社の上司でビルの5Fにいる。寝坊して遅れ、30回目なのでおじさんは怒ってる。今は秋、トレーニング中。寝ぼけた顔で来たけど、上司に見つかって驚いている。」

2チーム結果
「この絵は86年後。会社のビルで、7-8F。おじさんは日本人の部長で、新社員は地球外生物。新社員がくるのが遅いので下をみようと窓を開けて下をみようとしたら、社員が前にいた。新社員は、つり輪ができることをアピール。宇宙船は、未来の車になっている(ので、驚くべきこどではない)。現在部長は生まれておらず、18年後に生まれるので、Rちゃんが29歳の年に誕生する子供である」

しょうじさんたち

りなちゃんたち2

グループが違うと、違うストーリーが生まれるものですね!一方で、どちらのグループも未来では特段驚くべきニュースではない日常の風景として捉えていたのは、面白かったです。

さて、いよいよ真面目な内容についてニュース(仮説)を組み立てます。

9.11

9.11が起きたとき、今日の子供たちは生まれていませんでした。このテロで直接的に亡くなった人が2000人以上いたこと、その後アフガニスタンやイラクで戦争が起きたことを伝えた後で、この画像から生まれる疑問についてだしてもらいました。

「ビルの中にいる人はどんな気持ちだったか?」
「攻撃した人と運転した人は同じだったのか?」
「オバマ(アメリカ大統領)から大金をもらってやった?」
「アメリカを恨んでいた人がやったのか」
「個人でやったのか?グループだったのか?」
「被害者の家族はどうおもったのか?」
「あのビルで最初に起きた火災の原因はなんだったのか?」
「誰かが指示してやったのか?」
「面白がってやっているのか?」
「運転ミスだったのか?」
「なぜそこに落としたのか?」
「レスキューした人はだれか?」
「避難用の装備は作動しなかったのか。」

プレゼン1

プレゼン2

自分の中で生まれた「疑問」を大事にして、そこからニュースが生まれていきます。9.11のテロでは、一節には、アメリカ陰謀説などもありますが、多角的に質問を出すことで、単に「外国のテロリストがやった」だけではない、事件の立体的な捉え方をすることができました。

上記の疑問から生まれた、初期のストーリーはあくまで「仮説」です。しかしその仮説こそが、その後インタビューを含めた、地道で手間のかかる調査や検証作業のベースとなります。

「情報はストーリーとして伝わる」。ちょっと難しいテーマかと思いましたが、チャレンジしてみたところ、見事についてきてくれて、スタッフは感動です!

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その後、参加してくれた子供たちに感想を聞いてみたところ以下のような回答でした。

・普段あまり質問や意見をださないから、頭をつかって難しかった。
・2つのグループで違うストーリーが出てびっくりした。
・疑問点を沢山出すところは授業にも使えそう。
・新聞の自由研究に使えそう。
・個人の意見が沢山だせた。

今の時代、ニュースが溢れ、検索をすればいくらでも情報がとれます。おびただしい量の情報を「疑問」なしに受け入れていると、混乱するだけで、結果自分の血肉にすることができません。ものごとを批判的に捉え、自分のアタマで考えること、自分でストーリーを組み立ててみることの重要性に気づいてもらえたら、とっても嬉しいと思います。

ありがとうございました!

<プログラム参考情報>
Central Idea: 情報は人にストーリーとして伝わる
Lines of Inquiry:
1)自分の中に生まれた「疑問」を大事にする
2)いろいろな立場で考える
3)自分が言いたいことを決める (5W1Hにまとめる)

Learner profile:
Thinkers (考える人)
Balanced (バランスのとれた人)
Inquirers (探究力のある人)

Key Concepts:
1)特徴・構造(form)
2)理由・原因 (causation)
3)関連・影響(connection)
4)別の見方、違う考え方(perspective)

 

プログラム報告