home > Blog > 藤原 さと > 参議院選、あなたは投票する人をどのように決めますか?より信頼性の高い情報を得る方法と投票先を決める5つのポイント

藤原さとです。

 

参議院議員選挙の投票日が一週間後の7月21日となりました。期日前投票はすでにはじまっていて、私は今日投票に行くつもりです。

 

民主的な教育(Democratic Education)や生徒による自治と言う言葉もありますが、実際の選挙は忙しくて後回しになってしまう、もしくは誰に投票して良いのかわからず気持ちが前向きになれない、という先生や保護者、学生さんも多いのではないかと思います。

 

介護政策研究者で、参議院議員の秘書をしている私の友人がどうやって投票する人を決めると良いのか、とてもわかりやすい説明をしてくれているので、ご紹介したいと思います。膨大な情報を目の前にして途方にくれ、溺れそうな気持ちになることもありますが、政治の現場にいる彼女の現実的なアドバイスはとても参考になります。気を楽に、でも誠実に投票をしてみませんか。

 

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参議院議員は、日本という国のルール作りとそれを執行するに必要な予算の獲得のために、交渉し、合意形成をする人たちです。

任期の短い衆議院のほうが、より民意を反映しているとして、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名について優越している一方、参議院は中長期的かつ多角的な視点から審議できるという特徴があります。

 

選挙期間は17日間。
この間は、期日前投票できます。

任期6年の参院議員は3年ごとに半数が改選されます。
今回改選は、124議席(選挙区74、比例50)。

選挙区は都道府県ごとに1~6名。


比例は、政党名だけでなく、候補者名を記名投票※できます(衆議院にはない仕組み)。

記名投票方式は、全国レベルで候補者を応援できる特徴的な仕組みです。医療や介護、環境、障がい、労働など、高度な専門知識を持たないと行政府と対等に話ができない分野について、各団体から代表者を出せます。国で扱う問題が高度化していて、政治家も専門性が必要となる時代になっています。

 

選挙期間中は、選挙運動(誰々に投票してくださいという投票依頼)ができます。

 

  1. 個々人へ投票のお願い
  2. 電話やSNSを通じて投票のお願い
  3. 幕間演説-人が集まっているところで、候補者本人や選挙運動をしているスタッフが演説できます。

 

あなたの一票がどうなるか。

 

その1.応援する候補者が当選するかしないかを分けます。

 

その2. 与野党の力関係を決めます。与党が圧勝すれば、与党の力はより強くなり、野党が善戦すれば、野党の交渉力が増します。

 

その3. 応援している候補者が当選すれば、国会内でのパワーになります。国会議員同士も、行政府の人たちも、その人が何票取って上がっているか、確認します。どういう人たちが支持者なのか、確認します。例えば、東京選挙区の人は、東京に責任を持つ人たちだと見なされます。東京選挙区の中でも、この人にはどんな人たちが支持についているのか。医療系、介護系、子育てママさん、労働組合なのか、はたまた、無党派層の取り込みに成功したのか、そんな視点で見られます。全国比例の場合は、医師会の代表であれば、医師の代表と、介護の代表であれば、介護の代表と見られます。

 

その4.応援している候補者が議員となり、相応のロビイング活動をすれば、あなたの意見も国政に反映できます。相応のロビイング活動とは、様々ですが、ファクトを数で示すことができるか、というのが説得力あると思います。

 

その5.投票を棄権すれば、投票に行った人たちの力が相対的に強くなります。

 

というわけで、
投票に行っても、棄権しても、一票、影響を与えます。

 

候補者の情報検索方法

私だったら見るポイント。責任ある仕事ができるかどうか。信頼できるかどうか。好きか嫌いか。

 

【国会議員(現職)の場合】

1.ホームページやSNSで何に関心のある人なのか
2.何をやってきて、どんな役についている人なのか
3. 国会内にどんな仲間がいるのか(派閥やグループなど)
4.国会議事録を検索

http://kokkai.ndl.go.jp/

 

【新人の場合】

1.ホームページやSNSで何に関心のある人なのか
2.何をしてきた人なのか
3.誰が世話人か

 

忙しい毎日だけれど、国民としての権利、使いましょう!!!

 

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私個人としては、昨今投票に対する判断がどんどん難しくなっていると感じています。いや、本当は昔も今もそんなに変わらないのかもしれないのですが、とくに政策に対する支援という観点で考えると、あまりに判断するために必要な情報が多すぎて、判断できないような気がするのです。その中には、候補者本人のことをよく知らずに投票してしまう怖さも当然あります。

 

そう思うようになった、一つのきっかけは、昨年亡くなった仙谷由人さん。私は2011年から2014年にかけて日本の医療技術・機器輸出もかけて、ミャンマーの保健省と乳がん検診体制作りの仕事をしていたのですが、その時に日本ミャンマー協会の理事長代行をされていた仙谷さんとの数少ない接点の中で、日本の国際競争力や福祉政策についての考え、過酷な闘病の話などをご本人の口からタクシーの中やミャンマー現地での食事中などにお伺いすることがありました。

 

 

そこには、あまりに報道から見える姿とは違う政治家の顔がありました。まぁ、私も能天気だから人のいいところばかりみている傾向はなきにしもあらずですが、昨今話題となっているフィルターバブル(インターネットのアルゴリズムによって、自分の見たい情報ばかり見てしまうこと)は、今に始まった事ではなく、当時も彼らが本当に考えていたことはテレビではほとんど見ることができなかった、と断言できます。マスコミは良くも悪くもより多くの人が見たいものを見せるし、発言内容は編集されてその重要度も含め、「本人が伝えたいこと」という視点で見るとほぼ原型をとどめていません。

 

そうなると、頼るべきは本人の発信している情報です。もちろん私たちに政策の是非の全てが分かるわけではありません。でも人柄や大事にしていることくらいは分かるのではないかと。今はSNSの発信も増えていますので、以前より良く分かるはずです。友人のアドバイスにもある通り、その人を信頼できるかどうか、好きか嫌いかということで決めていっても良いのだと思います。

 

上述の「情報が複雑すぎて民主主義そのものが揺らいでいるかも問題」はまだまだ私を悩ませ続けており、心が折れそうになることもありますが、とは言ってもその答えが自分で見出せない限りは、やはりベストを尽くして投票には行きます。

 

「投票に行っても、棄権しても、一票、影響を与えます。」結局これなのですよね。特に参院選は、選択の幅が広く、中長期で専門性のある人たちの個別の政策の支援ができる私の好きな選挙の一つでもあります。

 

先週、ロシアのイルクーツクに行きました。街にはレーニン像が残り、ソビエトの名残があちらこちらにありました。ペレストロイカ、そしてソビエト連邦崩壊はたった30年前ですから、ソビエト時代と両方を過ごした人は多い。「ソビエト時代を懐かしいと思うか?」という私の質問に現地の人は「懐かしいと思う人もいるしそうではないと思う人もいると思うが、確かに厳しい時代だった。歴史は私たちの一部。それを否定しないで、忘れないようにして歴史の上に私たちは今を生きている」とその人は答えました。

 

 

ミャンマーでは、もともと皆保険制度があり、皆無償で医療を受けることができましたが、軍事政権による財政難から皆保険制度は崩壊し、貧困層以外は病気になったら自分のお金で医療を受けなければならなくなりました。逆に民主化が進むと海外に散らばった知識層や富裕層が自国に戻ろうという動きがでてきます。

 

政治が私たちの生活に与える影響は大きい。子どもたちが民主主義が何かということを考え、社会を自分のものにしていく、そういう仕組みを教育の中に入れていきたいと思うと同時にまずは大人がその手本を示すべきだと思っています。

 

 

※記名投票方式は、全国レベルで候補者を応援できる特徴的な仕組みです。この仕組みを巡って、政党はさまざまな工夫をします。比例票をできるだけ増やしたいので、元芸能人など知名度が高い人を候補者に出したりします。獲得した政党全体の票数に応じて比例の議席数が振り分けられます。そして、候補者には得票数順に議席が与えられます。つまり、政党はできる限り比例の全体票を伸ばすことに注力し、候補者は同じ政党内での限られた議席をめぐり、しのぎを削ります。

有権者の立場からすると、この比例選挙の仕組みは、医療や介護、障がい、労働など、オールジャパンの課題で、高度な専門知識を持たないと行政府と対等に話ができない分野について、各分野から代表者を出せる仕組みでもあります。国で扱う問題が高度化していて、政治家にも専門性が必要となる時代になっています。

加えて、今回の選挙から、政党が比例で優先的に通したい候補者を決める「特定枠」という仕組みも導入されました。特定枠の候補者にはほぼ確実に議席が与えられる一方で、選挙運動に制限がかかるので、利用した政党は少なかったようです。

 

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藤原 さと