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2014.03.28

国際バカロレア(International Baccalaureate/ 略してIB)、ってご存知ですか?

IBは、第二次世界大戦の反省から、一国主義教育ではなく、世界平和に寄与する人材の育成と、各国ごとの大学入試ではなく世界共通の統一試験の実施を目的にスイスのジュネーブで、1968年に発足した非営利の教育財団です。現在では144カ国、3600校以上がIB認定校になっていて、世界中のトップ大学を含む、2000以上の大学で、IBスコアによる入学の門戸が開かれています。

といってもピンとこないですよね。まずIBスコアですが、これはセンター試験のような一発試験ではなく、高校の2年間のアクティビティも含めた結果で評価されます。満点は、45点で、自分で選択した科目6科目の合計点(各7点×6科目=42点)に、4000ワードのエッセイと課外奉仕活動、TOK(Theory of Knowledgy)という3点が加算対象となります。

オックスフォード・ケンブリッジ・ハーバードのような大学になると、40点前後以上くらいのハイスコア(日本の試験ではないので、絶対値ではなく、点数の内容が見られます)が求められますが、大学によって、それぞれのIBスコア基準を策定し、学生の入学審査を行っています。(世界の平均点は30点程度)

日本は、まだインターナショナルスクールを中心に、24しか認定校がありませんが、アジアではシンガポールだけで27校、インドが98校、オーストラリアが152校と沢山あります。(2013年2月時点)

で、、、なぜ国際バカロレアの話をするかなのですが、昨年6月、「日本再興戦略―JAPAN is BACK―」(閣議決定)において、2018年までに国際バカロレア(DP)認定校等を200校にまで大幅に増加させる目標が掲げられたのです。これは1990年から続く大学入試センター試験の廃止が検討される時期と重なっています。政府は本気で大学入試改革に取り組んでいて、IBスコアを大学入学の要件として取り入れる大学をどんどん増やしていきます。既に東大・京大・筑波大・早稲田大・慶応大・上智大・・などが導入実施を決めています。これからもどんどん広がっていきます。

このムーブメントですが、私は強く同意しています。「黒船」と揶揄する人がいるかもしれません、「グローバル教育を入れたとアピールしたいだけでしょ」と思われる方がいるかもしれません。でもそうではない、とはっきり言いたいと思います。なぜなら、IBは論理的思考や表現力、探究心や学術的思考、異文化に対する理解と寛容性を育むこと非常に完成度の高いプログラムだから。生徒は、受身のレクチャー型授業ではなく、下記のような学習方法を取り入れながら生徒の経験や既存概念に基づく学習活動を中心にして授業が組み立てられます※ またIBでは全人教育を施しており、CASという創造性・活動・奉仕の課外活動を150時間する必要があります。

1)探究型学習:質問を提示し、批判的思考や課題解決に取り組む
2)プロジェクト型学習:グループや個人で課題を設定し、研究に取り組む
3)共同型学習:学問上の目的達成に向けて、グループワークやペアワークに取り組む

「こたえのない学校」では、このIBプログラムの初等教育版(3~12歳)であるPYPの手法を参考にして、キャリア教育プログラムを開発しています。PYPでは、「私は何者なのか」「私たちはどういう時代・場所に生きているのか」「私たちはどうやって自分を表現するか」「世界はどう動いているか」「私たちは自分たちをどう組織しているか」「地球の共有」というテーマを追いますが、小さな頃からこうした哲学的思考をしながら育ち、大人として完成度の高い表現をできるようなお手伝いができればと思っています。

なお、IB教育の普及の一環として3月23日に東京で開催された次世代教育サミットには私も参加させていただきましたが、下村文部科学大臣も参加され、本気が伝わってきました。こちら、どんどん色々なサミットが開催されるようです。応援していきたいと思います。

さと

※「国際バカロレア・ディプロマプログラム Theory of Knowledge について」H24・8月 国際バカロレア・ディプロマプログラムにおける「TOK」に関する調査研究協力者会議

藤原 さと