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2016年11月20日、ポラリスこどもキャリアスクール4期、第2回のプログラムを実施しました。

今回のポラリスナビゲーターは東京工業大学理学院物理学系助教 山崎詩郎先生です。

今回は、山崎先生の伝えたいメッセージ「小さな世界には全く異なる世界がある」をセントラルアイディアとして、光が波であることを実験で確かめ、量子論にふれ、ミクロの世界の特徴を使ってどんなことができるのかについて考えました。

ドラえもんのとおりぬけフープ、知っていますか?大きなわっかを壁にあてると、すりぬけてしまうひみつ道具です。このとおりぬけフープ、実は量子論で説明できるのです。この非常識な世界を「なぜ?」と問いながら探究し、さいごはグループに分かれて、量子論の考え方を利用したそれぞれのひみつ道具を考えました。さて、みんなはどんな発明をしたでしょうか?

最後のプレゼン、及び その質疑応答では山崎先生も驚いたその内容をご報告します!

 

 

<原子ってどれくらい小さいの?>

まずは10㎝くらいのモノって何だろう。

「かえる?」「手の大きさ」

体の中で1mm 0.1mm ・・・くらいの大きさのものは

「歯の薄さ」「爪」、「指紋の間隔」、「髪の毛」

原子の大きさってイメージできる?どんどん小さくなっていきます。

指先の中の日本列島、その中のミニ人間が暮している。そのミニ人間の指先の大きさが

原子の大きさなんだよという話に みんな「えー!!」とびっくり。

 

 

<原子ってどうやって観察するの?>

ここで再び山崎先生から原子を見る顕微鏡について説明がありました。本当に小さくなってしまうと、光の粒の方が大きいので光学顕微鏡では見れないとのこと。そこで、走査トンネル顕微鏡という特別な顕微鏡を使います。マイナス270度のとても冷たい温度(北極でもマイナス30度)であったり、振動がダメなので観察するものを 空気ばねで宙を浮かせたりしていて、するどい針で「触って」「見る」のです。

 

こうして走査トンネル顕微鏡で見たシリコンウエハーの原子の画像をみんなで確認します。そして、実際のシリコンウエハーがどのように割れるかを推測してみます。

 

そこで、実際にシリコン上ファーのディスクをみんなで粉々にしてみたら、バラバラになったけど小さな三角形のかけらに。大きい世界は小さい世界がわかるとわかります。繋がっているんですね。今では、原子は 固い塊でなく まるでふわふわした綿あめのような感じでつながっていることがわかってきているそうです。

 

<光の構成要素は? スリットを通した実験で確認してみよう>

さて、形のあるもののミクロの世界を見てきましたが、では光の形って何だろう?光のミクロの世界は何だろう?

昔の科学者は、光は粒だと思っていました。だから、人が光を邪魔をすると影ができるのだと。みんなも、「せん?」「粒?」と考えました。

では、ここで実験です。

レーザポインターを使って天井に光を当ててみる。これを板に空けた二つの穴を通すとどう見えるかを考えてみます。ふつうに考えると(線か粒だと思うと)2つの光の影が見えそうなものです。しかし・・・・!

実際には8個ほどの点に分かれました。もっとたくさんのスリットを通すと天井一面に光が拡散してまるで星空のようになりました。天井のほうは、暗くて写真がとれなかったのですが、歓声が上がり、みんな大騒ぎ!

 


 

実は、こうなるのは光が粒ではなく、波だからこういうことになるのです。

 

 

音は壁を通り抜けることができるけど、ボールは常識では通り抜けられない。でもボールも通り抜けてしまうかもしれない不思議な世界を理論的に説明した人がいました。それが、シュレーディンガーです。彼は、ミクロの世界では原子や電子は波の性質を持っているから壁を通り抜けられるのだと、方程式で証明しました。この考え方を使って 世界中の学者が今もミクロの世界について研究を続けています。まさに「こたえのない」問題をといているのですね。

 

<今回のミッション:シュレーディンガーが説明したミクロの世界の特徴を使って学校で使えるひみつ道具をかんがえてみよう!>

では、ここでいよいよ今回のミッションです!冒頭にドラえもんのとおりぬけフープは、量子論の考え方を使ったものだといいました。そして、この世界は前半で学んだように、以下のような特徴や可能性を持ちます。これらの考え方を使って、グループでひみつ道具を作ってみます!

・なんでも、かべをとおりぬけられるとするとどうする?

・身のまわりのものがみんな波でわたあめみたいだったらどうなる?

・もし人やモノが同時に2つ、3つと存在したらどうなるだろう?

 

 

そして、みんなの発表はこちら!

1班「電身ライト」

 

電身ライトはあてたものが電子になって、分身を作ったり、ワープできたりするライト。約束が重なって忙しいときに使います。「波でわたあめみたい」「同時に2つ、3つ存在する」という2つの特徴を組み合わせた道具を考えました。

でも、他の自分が何しているかわからないので注意!

 

2班「スケスケシール」

 

2班のスケスケシールは、何でも通り抜けられるので、学校に行くときに直線で最短距離を歩けるというものです。でも 不法侵入になってしまうので、通り抜ける前に通り抜ける処の人に許可をとらなきゃいけない! そのためのルールもいろいろ考えました!

 

3班「アバタークラウド」

 

自分の分身が雲のように形を自在に変える。2つの授業を同時に受けれたりもできるもの。 小さくなったり、形も変えれるし、雲状になって手の届かないところも修理できる!でも欠点は風に飛ばされてしまうところ

 

4班 透明リングと透明ゴーグル

 

どちらも自分の原子を分解し、透明になることができる。クローンができる。カンニングとかもできるようになっちゃう!でも透明ゴーグルをつけると目だけ浮いた状態でかっこ悪い。それに勉強が身につかないとか、先生だっていなくなっちゃうとかデメリットもある。

 

 

<山崎先生より>

最後に山崎先生より講評がありました。

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原子の世界では通り抜けられる、2つのところに同時に存在できる。この性質をわかってちゃんと使っているのはすごい。ところで この同時に存在することについてなんだけれど、実は2つに分身しても未来に残れるのは一人。国語の授業受ける自分と 算数の授業を受ける分身、明日残るのはどちらか人ひとり。小さな原子の世界では こういったことはいつも起きているんだ。大きな現実世界でも100年後くらいに実現するかもしれないね。

 

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量子論の常識を超えた世界への旅をナビゲートしてくださった山崎先生、ありがとうございました!

 

 

 

<こたえのない学校とは?>

新しい価値を創造する力をグループワークの中で子どもたちが自ら身につけていく、「探究する学び」のフレームワークを使ったプログラムの開発・実施を行っています。本プログラムは小学生対象次世代型キャリア教育プログラムとなる「ポラリスキャリアスクール」です。

 

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ポラリスこどもキャリアスクール4期「STEM(科学・技術)」

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