細かいことの積み重ねで「価値を届ける」—高級パン専門店ルセットの販売マネージャー 赤星慶浩さん

こんにちは。気づくと3月ですね。

お知らせの通り、4月からIID世田谷ものづくり学校と共催で、ポラリス子どもビジネススクールを開催します。

3回のプログラムで登場いただくナビゲーターたちの素顔を少しずつ紹介できたらと思います。今回は2回目、5月17日(日)に登壇予定の、㈱イコールコンディション(高級パン専門店ルセット)の販売マネジャーの赤星慶浩さんです。

ネットで一斤1500円以上というとびきりの高級パンをネットのみで販売するルセット。パン職人もアーティストであり、クリエーター。“パンの価値を高める” という想いを胸に、一切の妥協なく、120%のチカラを出し切り、美味しいパンを生み出し続けていますが、そんなルセットで販売マネジャーをする赤星さんの素顔に迫ります。

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こたえのない学校:現在のお仕事について教えてください。

赤星慶浩さん(以下敬称略):ルセットの販売マネジャーをしています。メディア対応をしつつ、販売のデータ処理やメールの対応など、注文からお届けまでの全ての工程を見ています。

こたえのない学校:仕事で大事にしていること、大事にしてきたことを教えてください。

赤星パンの価値をお客様に理解していただき、買っていただくという仕事なので、パンが持っている価値を落とさないような対応やプレゼンテーションが大切だと思っています。メール一つにしても丁寧に、お客様の立場に立って書くということが基本になります。

こたえのない学校:仕事の楽しさはどのようなところにあると思いますか。

赤星:お客様から、「こんなパンを食べたことがないです」「本当に感動しました」とか、「すごく美味しいから人に贈りたいです」という言葉をメールでもらうときがあります。そういう人の感動のそばにいて、価値を届けられる――私がそのためにお役にたてていると思える瞬間があるというのは、とてもありがたいです。

こたえのない学校:何か仕事でつらいこと、つらかったことはありますか。

赤星:つらいということではないですが、「価値を届ける」という意味では、本当に細かいことの連続なのです。シールをきちんと、きれいに貼り続けるとか、伝票の印刷が曲がっていないとか。「もういいではないの」というくらいまでこだわり、全てはその繰り返しなのです。決して派手なことではなく、細かいことを連続でやっていった上で、初めて先ほどのお客様の声があり、お客様が本当に喜んでいただけるという部分があります。

こたえのない学校:これからお仕事でチャレンジしたいことはどんなことですか。

赤星:世の中には多様な幅のようなものがあると思っています。例えばスイーツでもコンビニで売っているスイーツもあれば、非常に高級なケーキもある。パンにもそういった幅があっていいと思うのです。私は世の中の様々な人たちに対して、こういうやり方もある、こんな選択肢もある、こんな価値があるというように多様な幅を提示するという側面で世の中と関わっていきたいと思っています。常に自分がどのように世の中と関わっていくのかを感じて仕事をしていきたいと思っています。ただ、それを常に考え続けていくのはチャレンジングだとも感じます。

こたえのない学校:これからの将来、どんな力が必要になってきて、どのように準備をすべきだと考えますか?

赤星:感受性を養うというか、感じることが大切だと思います。ただ「感じる力」が重要だというよりは、子どもたちはすでにたくさん感じていると思うのです。感じているだけで価値がある――そういう風に思ってほしいです。そのときはわからないけれど、後になって自分にとってとても大切だったことがわかったりします。過去、未来がありますが、やはり今なんです。今ここで感じていることが大切なんだよと言いたいです。

こたえのない学校:今小学校の子どもたちが何をしておくべきかについてアドバイスをお願いします。

赤星:しておくべきですか?! 実は、私は20歳くらいのときに『20歳でしておくべきこと』というようなタイトルの本を読んだんです。自分に何か足りていないのではないかと思って手に取ったのです。その本に書かれていることは、理論的にはわかります。例えば、未来の目標があり、こうなっているべきだから、私は今ここにいるのでこれをやらなくてはいけないとなります。ただ、実際にはまったくその通りにいきません。冗談と思うくらいそのとおりにいかないのです(笑)。それでも、遠回りしたり、思わぬ方向に流れていっても、そこに何かしら意味があって、その経験がその人を豊かにしてくれるはずだと思います。「やりたいことをやればいい」と思います。

こたえのない学校:プログラムの子どもたちへのメッセージをお願いします。

赤星:美味しいものをいっぱい食べてください(笑)。

こたえのない学校:赤星さんが小さい頃はどんなお子さんでしたか。

赤星:実家は京都の山崎です。某メーカーのウイスキーで有名な場所です。山があり、緑豊かな場所だったので、本当によく遊んでいました。

一方で、母親が手作りが好きな人で、パンとかお菓子とかをよく作ってくれたので、食べることは好きになりました。ちなみに、アップルパイは本当に美味しかったです。他にも手編みのセーターなどもよく編んでいました。彼女の影響は強くあると思います。

自分の親がしていることに知らぬうちに影響されていることは多い。また、私も何かをすることで、誰かに影響を与えている。個人と考えがちですが、関係性の中で、影響し、影響されている―—最近特にそう思うことが多いです。

食品メーカーの営業をしていたのですが、デザインに興味があり、ニューヨークにあるデザインの大学院に留学しました。デザインへの興味も母親の影響があります。母親が絵を描く人だったので、自然と絵が好きになりました。彼女は、木を描くときに緑色を使わないのですが、遠くで離れて見るとちゃんと木に見えるのです。それが面白いと思いました。また、家の前に山があり、一本一本紅葉しているけれど、全体としては異なる風景を作り出していて、それも鮮明に覚えています。

うまく表現できないのですが、自分の中で明確に覚えている瞬間ってありますよね。そういうものがその人を作っていると思うのです。大学院の修士論文のテーマにしたのは、「人々をつなげているものは人々の心の中に存在している」というものです。他の人にも鮮明に覚えている瞬間があり、何か通じ合うときはそこがつながったときだと思うのです。

忘れられない瞬間がたくさんあるというのはいいことだと思います。純粋な子どもの頃に、心を揺さぶられ、何かを感じ、鮮明に記憶している―—それは多ければ多いほどいいのではないか、とても大切なのではないかという気がします。

こたえのない学校:鮮明に記憶している瞬間をたくさん持つことですね。私たちも子どもたちに少しでもそのような機会を提供していけたらと思います。貴重なお話、ありがとうございました。

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多様な「幅」があっていい、鮮明に覚えている瞬間を大事にしてほしいと強く語ってくれました。

赤星さんは5月17日(日)に登壇予定なので、ご期待ください。

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