home > Blog > スタッフブログ > 大人がこども向けにとフィルターにかけていることがいかに多いか大人が認識する必要があります~声楽家、中村香織さんインタビュー~

 

4月よりスタートした、ART(芸術)をテーマとするポラリスこどもキャリアスクール5期。 5月14日、「音楽家はどうやって音楽を創っている? 自分らしい表現ってなんだろう?」のナビゲーターとなっていただいた声楽家、中村香織さんにインタビューしました。聴衆の方々が何かを感じる自由を持てる余白を大切しながらの表現、そしてAll is oneという哲学を持ち、既存の枠を飛び越えて活動される中村さんの魅力が詰まったインタビューです!

 

<講師プロフィール>

中村香織 (なかむらかおり)声楽家

東京音楽大学及び同大学院・モーツァルテウム音楽大学(オーストリア・ザルツブルグ)のアカデミー修了。東京音楽大学声楽助手を経て、国際ロータリー財団国際親善奨学生として渡仏。財団の活動から物事を多元的に考察することの大切さ・異文化の相互理解・職業奉仕精神を学ぶ。フランス国立ストラスブール音楽院修了。各時代の音楽様式・多言語の作品を研鑽し、室内楽・ソリスト・現代音楽祭「MUSICA」・パスカル・ロフェ指揮「夏の夜」等の演奏活動、アルザス地方の音楽学校声楽講師を経て帰国。第41回フランス音楽コンクール声楽部門第2位。2012/13年京都フランス音楽アカデミー声楽クラス通訳。山梨英和高校フランス語及び甲斐清和高校音楽科声楽講師。日仏現代音楽協会会員。専門分野がどのように社会と関わり、発展し、貢献できるかを考えて活動している。

 

 

こたえのない学校: 現在の仕事を教えてください。

中村香織氏(以下敬称略):アーティストです。 声楽家としての演奏活動と音楽教育に加えて、声楽で培った他言語学習と留学体験を生かして語学教育も行っています。今回こたえのない学校で展開したような音楽を大きく捉えた講義を東京工業大学のThe Global Scientist and Engineer Program (GSEP)にて行っています。

 

こたえのない学校:仕事で大事にしていること、大事にしてきたことを教えてください。

中村: 3点です。 1つ目は、心と体がニュートラルな状態にいること。最も容易に、早く変化させられる状態を大事にしています。2つ目は、ニュートラルな状況の時に浮かんだ考えや行動を実現するために、基礎的な力をつけて磨き続けること。3つ目は、時間を大切にすることです。

 

こたえのない学校:仕事の楽しさはどのようなところにあると思いますか?

中村: 芸術によって人が育まれ、深化していくところ。 たとえば、感性が広がってより自由になるようプログラム作りと演奏をして、様々な方と共有して発展していくところに楽しさを見出します。私は現代を生きていて、究極に言ってしまうと2000年以上前のものから現在に至るまで(即興も加えるとより未来に近くなる)の数々の選択肢があります。いかに限られた時間のプログラムの中で、時代問わずに組み合わせて自然の流れで演奏者自身も聴衆の皆さんも感性の広がる方向へ発展できるか?を考えてプログラムを作る過程は楽しくてしょうがありません。そもそも声楽は人間そのものを生かしているので、演奏そのものが自分を知って生かすことでもあります。自分と芸術が調和する素晴らしいギフトだと改めて感動します。

 

こたえのない学校:仕事でつらかったことはありますか?

中村: ベストでない状態での本番です。体調管理も事故にも気をつけないといけません。暗譜をしながら自転車に乗ると危険で、事故も1度だけではないです(苦笑)。幸い命に別条がなく今に至りますが、次はだめだよと自分に言い聞かせています。

 

こたえのない学校:これからお仕事でチャレンジしたいことはどんなことですか?

中村: 聴衆の方々が何かを感じる自由を持てる余白を大切にしながら、音楽が十分に生きるように衣装・照明・空気・空間等のすべてを総合プロデュースしたいです。(たとえば、真夜中に真っ暗な教会でパイプオルガンが鳴り響いて人の声がひろがっていくようなアイディアがわいてきます。)

 

こたえのない学校:これからの将来、どんな力が必要になってきて、どのように準備をすべきだと考えますか?

中村: All is oneという哲学を持つことが大事だと考えています。それぞれが包括的に捉えていくということが、自分を慈しみ・他者への思いやり・家族・地域社会・まち・国・世界・宇宙と広げて考えられることつながり、環境問題や平和へ通じる道となるのではないでしょうか。 また、仕事の上でも様々な専門分野が関わって社会全体が共栄することが綺麗事でなく実際に必要不可欠だと考えています。 得意不得意を携えてそれぞれが、大きいカテゴリーの中の一員と認識して何ができるか考えて行動していくことから始めたらいかがでしょうか。

 

こたえのない学校: 小さい頃どんなお子さんでしたか?

中村: 自然の中とアートの空間が大好きだったので、なるべくその中に身を置きたかったために物心ついたころから学校のお勉強は授業以外でしないというポリシーを持っていました。(授業を聞くというよりも時間内に自分で要点を把握して宿題も終わらせるみたいな方法でした)夏休みの宿題でさえも全部だいたい3日くらいで終わらせて、観察日記は何かを参考にして書いたり、日記なども予定をみながら想像して一気に書いていました(笑)。友達と遊ぶのもほどよくして、あとは自然の中にある音や色や時間の経過から感じること・美術館の作品たちや内外の雰囲気の中にいてぼーっとして楽しんでいました。音楽は好きでしたが、音楽の学校の授業は嫌いでした。音楽ってもっと面白いはずなのに、なんで決めつけた方法や紹介の仕方や感想を聞かれても良いものとそうでないものに暗黙の大人の仕分けがあるのかなと子供心にわかっていたように今思います。(大人が面白い生き方をしていないと!)

 

こたえのない学校: 子供のころに熱中していたことや好きだったことはなんですか? それは今につながっていると思うことがありますか?

中村:美しいものが好きでした。前述のすべてが今の仕事につながっています。

 

こたえのない学校: 先日は、こたえのない学校で授業をナビゲートいただきありがとうございました!実際に子どもたちに音楽の探究授業を実施してみてどう思われましたか?

中村: こどもの感性のやわらかさに喜びと感動を覚えました。 加えて、現在巷にあるこども向けの音楽とこの授業で生まれた作品の違いに愕然としました。それほどに芸術的な素晴らしい音楽の瞬間がたくさんあったのです。 ということは、大人がこども向けにとフィルターにかけていることがいかに多いか大人が認識する必要があるということです。彼らが得意でも不得意でもどう捉えるかはそれぞれであっても、その中で感性は開けるし、創造もできるということも改めて理解できました。 こどもの感性を開くきっかけ作りを大人がするには、まずはその大人が生き生き輝いてその仕事を心から楽しんでいることが大事ですね。こどもはそのことを感じると思いました。

 

こたえのない学校: 今の小学校の子どもたちへのメッセージ、お願いします!

中村: 気持ちよくたくさん眠って、心と体が喜ぶ美味しいものをたべて、たくさん本気で遊んでください この3つに限ります!

 

中村さん、ありがとうございました!

 

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