アメリカの小学生の夏、サマーキャンプについて纏めてみました

藤原さとです。

アメリカの夏休みは長い!ということで、娘の学校も5月末には終わってしまいました。多くの学校は6月の上旬から8月の下旬まで2か月半(感覚的には3か月・・)の長―い、長―い、夏休みがあります。みんなどのように過ごしていると思いますか?

その答えはサマーキャンプです!とてもではありませんが、(一般論として)親も子供たちにウチにずっといられてはかなわないので、キャンプに通わせるのです。こちらの夏休みは「休み」ではなくて、学校ではできない経験をして「成長」するための夏季休暇になります。ちなみに塾はありません※。学校の宿題もありません。今日は、こちらの小学生はどんなサマーキャンプに入っているかについて、ご紹介します。

 

 

大きくは、サマーキャンプは日中のみのデイキャンプと宿泊キャンプの2つに分かれます。

〇 デイキャンプ(日中のプログラムで1週間のものが多い)

〇 オーバーナイトキャンプ(宿泊型)

例年ウチは夏休みに入るなり、日本に帰国してしまうのですが、今年はこちらに残り、がっつりキャンプに参加することにしました。よって、価格情報込み、母親目線(!?笑)のキャンプ紹介です。

 

【デイキャンプ】

まず、日本でキャンプといえば、泊まりのキャンプのイメージですが、アメリカでサマーキャンプといった場合、日本と違って、ほとんどはディキャンプになります。1週間単位で開催されるものが多く、テーマもまちまちですが、働くお母さんにもありがたい、学校と同じく8時~15時のフルデイキャンプと、午前と午後だけに分かれている(もしくは短時間の)ハーフディキャンプがあります。

内容は、カテゴリーに分けると以下のようになるでしょうか。

 

1)STEM系

プログラミング、ロボティックス、宇宙系、数学系などのキャンプです。非常に数が多く、沢山あるものの中から価格や時期、内容に応じて選べます。ヒューストンはNASAがあり、そこでもサマーキャンプをしています。中学生くらいになると、国際宇宙ステーションと実際にアマチュア無線で交信したり、火星での居住シミュレーションなどを行ったりします。一週間で300ドルくらい。(自宅からNASAまでは車で1時間以上なので、日程が合わずうちは断念しました。。)ほかに、地元のコミュニティカレッジ主催のものだと安くて、小学生から中学生が対象で一日4時間×4日で、97ドル。娘は、今年は今年Math Gameという数学的な思考を使うゲームするキャンプとHome Page Designを選択しました。

また、地域にあるChildren’s Museumのものは幼児から小学校2年生くらいまでのもう少し小さい子向けで、レゴロボティックス、サイエンスのものが実施されています。こちらも非営利のため、一日3時間×5日で100ドル台前半とお手頃でよく利用されています。なお、私の住んでいる場所は都市部から離れているので、有名大学のキャンプなどは対象外なのですが、総合大学でも、子供~高校生向けのキャンプは実施しています。内容的には大学の教科内容とは別ですが、キャンパスに行ってみたい!という方はいいかもです。ただし・・高いです(下記に参考までにスタンフォード大学のキャンプをつけておきました)。あとは、地元のタウンセンター、YMCAで実施しているほか、私的な団体や私立小中学校で面白いキャンプをやっているところは沢山あります。だいたい1週間で300ドルから500ドルくらい(高い!)です。

 

(写真)NASA Space Center CAMPs

https://spacecenter.org/day-camps/

 

STANFORD UNIVERSITY

https://rde.stanford.edu/conferences/summer-youth-camps

 

Discovery College (Loan Star College)

http://www.lonestar.edu/departments/ce/DiscoveryCollegeSchedule.pdf

 

Children’s Museum of Houston

http://www.cmhouston.org/educators

※地元のコミュニティカレッジのキャンプ一覧

http://www.lonestar.edu/departments/ce/DiscoveryCollegeSchedule.pdf

 

 

2)ART系

4歳くらいからスタートできるART系キャンプ。こちらも人気で、上記のとおりChildren’s Museumや大学併設のキャンプ、タウンセンターなどでも実施していますが、美術教室でもテーマを決めて、一週単位でキャンプが実施されます。金額はまちまちですが、下記の学校だと、1週間で200ドル弱。

(写真)Young Artist Art Studio

https://www.youngartistartstudio.com/summer-camp/

 

4)演劇系

演劇系のキャンプも豊富です。Children’s Museumでもシェイクスピアのものをやったりします。今年は、娘が映画「MOANA」をテーマにしたNational Youth Theaterの演劇のキャンプに一週間行きます。今から歌ったり踊ったりノリノリです。こちらも教会系なので、一週間9-15時で150ドルとお手頃。

(写真)National Youth Theater

http://www.nationalyouththeater.org/

 

5)スポーツ系・その他

もちろん、水泳・サッカー・テニス・ラクロス・バレーボール・バスケットボール・空手、、などなどスポーツ系のサマープログラムもあります。スポーツクラブが実施するいろいろなスポーツを一日でやるものや、特定のスポーツ領域を強化するものと両方あり、1週間単位で開催されます。こちらも、スポーツスクールの他、大学でもタウンセンターでも実施されます。娘は今まで水泳教室に通ったことがなく、こちらの学校は水泳の授業もないのでスイミングを選択してみました。その他、ディベートやサバイバル技術、いろいろな文化を学ぶものなど沢山あります。

 

【泊まりのキャンプ】

さて、次は泊まりのキャンプです(Overnight Campsと言います)。こちらは、ずいぶんと日本と違っていて、期間は最低でも1週間。2週間~3週間のキャンプが多く、基本的にあまり移動しないで広い(多くは湖畔の)キャンプサイトで過ごします。年齢は6歳くらいからですが、実質的には9歳前後から検討し始める人が多いようです。大型のキャンプは小学生から高校生までが一緒になって、長い期間キャンプ地でいろいろなアクティビティをして過ごします。今年、9歳の娘を初めて泊まりのキャンプに参加させてみました。昨日送り出したところです。

(写真)Camp Olympia http://www.campolympia.com/

 

こうしたキャンプは、キャビンという山小屋で、グループに分かれて2段ベッドで寝るタイプのものが多いようで、大学生がカウンセラーとして子ども3-4名に対して1名つき、一緒に寝泊まりします。(低価格のものは10名前後にカウンセラー1名というものもあります)娘は14個のベッドがある子どもが11名、カウンセラーが3名のキャビンになりました(一番上の写真がそのキャビンです)アクティビティはみんなが一緒のものをするのではなくて、たとえば、水泳やいくつかのプログラムは必須ですが、テニス・乗馬・ゴルフ・フリスビー・バスケットボール・ハイキング・サッカー・釣りなどなどからやりたいものを選んで、異年齢で楽しみます。(みんなと同じことをやらないあたりが、アメリカっぽい笑)

(写真)Camp Olympia http://www.campolympia.com/

 

今回テキサスで50年の歴史があって、自宅からも近いCamp Olympiaをセレクトしました。こういった歴史のあるキャンプは、このキャンプで育った子たちが、大学生になってカウンセラーとして戻ってきて一緒に夏を過ごすのです。Camp Olympiaは、”team-building, responsibility, cooperation, confidence”が特徴で、チームビルディングや協調性にフォーカスしたプログラムとのことなので、1週間後、どんな風になって帰ってくるのか楽しみにしています。

ちなみに、こうした泊まりのキャンプも、女子だけ、男子だけとかスポーツやアートにフォーカスしたものなどいろいろなタイプがあります。そして、トラディショナルなキャンプでは驚くことに100年以上、100年近くに渡って開催されているキャンプもとても多いのです。下記にアメリカの全米トップキャンプの特集があります。(Camp Olympiaも掲載されています。)

 

The 50 Most Amazing Summer Camps for Kids

http://www.earlychildhoodeducationzone.com/best-summer-camps/

(写真)Camp Olympia http://www.campolympia.com/

 

でも、こうやって書くとすごそうに見えるかもしれませんが、質もピンキリですし、日本には自然体験系の泊まりキャンプも含め、金額的にも良心的でいいものが沢山あると思います。実は、上記の泊まりキャンプ、、、1週間で1500ドル以上が相場なんです。カウンセラートレーニング、施設維持費、そしてなにがなくともべらぼうに高い保険料が原因だと思いますが、それにしても。。(教会系やYMCAなどで数百ドルの泊まりキャンプはあるようですが、周りであまり行かせている人がいなくて、分からずです。)でも、デイキャンプも日本の感覚からすると高いですよね。もし1週間200ドルのデイキャンプに8週間行ったら、それだけで1600ドル、子どもが二人いたら3200ドルです。。確かにこれだけの経験を夏にするのは素晴らしいのですが。。本当にアメリカって生きるのが大変な国です・・・。

なので、貧困層の子はとてもではないけどこんなキャンプに行けません。NPOや教会がこういった問題に対応するため、学習支援を含めたキャンプを実施したりしていますが、まだまだ足りず、家でテレビばっかり見ている子も多いはずです。あたりまえですが、こういう構造のため、夏に大きく学力(経験)格差が広がってしまうのです。(その前に、日本人的感覚からすると、3か月の夏休みっていくらなんでも長すぎです。。)

ということで、お財布にもなかなか負担の多い、アメリカのサマーキャンプのレポートでした。

今日はこの辺で。

 

※公文は夏休みもストップしないのでそのままやる子、ESLのサマーコースや補講のような形で少し勉強のようなプログラムをする子はいますが、そもそも塾に行く子、少なくとも周りには全くいません。(毎日の読書は継続します)

 

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