6月7日「百貨店をインターネットで運営する理由って?」開催しました!

6月7日いよいよポラリスビジネススクールも最終回となりました。今回のポラリスナビゲーターは、株式会社B4F 代表取締役社長 アルメル・カイエールさんです。

アルメル・カイエールさんは、フランス生まれ。伊仏日の企業トップを歴任後2009年にB4Fを設立し、国内外有名ブランド品をオンラインで提供する「MILLEPORTE(ミレポルテ)」を運営。現在の会員数は180万人以上、ファッショナブルな街角にある百貨店のような空間をネット上で展開し、新しいショッピングスタイルを提案しています。

カイエールさんの自己紹介は、英語で始まりました。

カイエールさん

• My name is Armel Cahierre and I come from France.
(私の名前はアルメル・カイエールです。フランス人です。)
• Have you heard about France? About other countries?
(フランスのことを知っていますか?他の国はどうですか?)
• French children love to hear about Japan and love Japanese anime.
(フランスの子供たちは日本が大好きで、特に日本のアニメが大好きです。)
• I came to Japan many years ago and decided to start a company in Tokyo in 2010. How old were you then?
(私は数年前に来日し、2010年東京で会社を作ることを決心しました。2010年といえば、皆さんは何歳でしたか?)

皆、フランスはどんな国?どのくらい遠いの?など質問がたくさん。

 

<インターネットでモノを買うってどういうこと?>

次に、「ネットで買い物をしたことのある人!」ときいてみました。あるある。8割くらいの子はネットで買い物をしたことがありました。

「アマゾンでキンドルを買う!」
「ルービックキューブを買った!」
「ゲームのソフトを買ったよ。」

カイエールさんプレゼン

次に、「インターネットで買い物をするといいこと、もしくは悪いことあるかな」と聞いてみると・・・

「面倒くさいときに家から出なくてもいい」
「売っている人が何を考えているかが分かりやすい」
「でも、写真で大きく見えたけど、実際買ってみたら小さかった」
「偽物の可能性がある」
「触った感じがわからない。」
「色が違う場合がある。」
「間違えて、ボタン2回押しちゃって、同じものが2個届いたことがあった!」

など。

次に、MILEPORTEのウエブサイトを実際に見せてもらいながら、カイエールさんから、商品の説明の仕方や、定価と割引料金についての説明を受けました。

こちらの商品 ・・

商品

まず、写真を綺麗にとって、「わ!素敵だな」と思わせ、次に、50,020円のドレスが26,000円と安くなっていることをアピールします※。

でも、事実は伝えなければなりません。商品説明は間違った印象を与えないために、細かく説明を加えます。

実際の洋服の寸法、8日以内だったらキャンセルして返品できること、配送日程など細かな説明を見ることができます。たとえば、ビニール製品など人によって匂いが気になる商品については、そのことをしっかり書いて、対応策も伝えます。

カイエールさんは、言います。

「お客さんには、ハート(心)とヘッド(頭)の両方に働きかけます。」

まず、美しい商品を 心を込めて撮影し、ハートに働きかけつつも、でも、きちんとデータを提供し、ヘッドにも正しい情報をつたえることが、顧客の信頼を得るためには大切です。

 

<ミレポルテの商品を買う人ってどんな人?>

さて、次はいよいよワークに入ります。

MILLEPORTEで事前に購入しておいた商品4つ(全て違うもの)が箱にはいっています。これをグループ代表がじゃんけんで1つずつ選びます。

商品を受け取って、この商品を 注文をしたのはどんな人か、ユーザープロファイルを想像し、商品を買った人のハート(心)とヘッド(頭)に訴えるどんな工夫がされているかを考えます。

女性用のカーディガンを受け取ったグループ

ボックスオープン

こちらはワインを受け取りました。

ワインのユーザーは?
ちいさな椅子を受け取ったグループは早速組み立て始めています 。

椅子を組み立て始める

このグル―プはカバンを受け取りました。

カバン

カーディガンを受け取ったのは、20歳前後の女の人でおしゃれが好きな女性。
ワインを受け取った人は、パーティに使おうとして、注文。
椅子を買った人は、19歳から30歳前半の女性で、作ることが大好きな設計士。
バッグを買った人は、55歳のお金持ちの女性。新作なので近所に自慢したい。⇒でも、「これピンクだしもっと若い人が買うんじゃないの?」の発言も。。

 

<顧客との信頼関係をどう構築するか?>

さて、休憩後、いよいよ本日の本題に入ります。顧客との信頼を勝ち得るには、まずウソをつかずに正しい情報を伝え、箱を開けたときにがっかりさせないこと。そして、もっと基本的なこととして、その商品が万が一にも壊れて いたり、お客さんの期待と違っていた時にどのようにリカバリーをしてさらなる信頼関係に繋げるかがとても重要です。

カイエールさんは、販売には以下の3つの段階があって、どれも同じく重要だと考えています。

・売る前の準備 (きれいな写真でアピール、広告など)
・売るときの工夫 (きれいなラッピング、配送をきちんとすること等)
・売った後のフォローアップ (クレーム対応、お客さんとのコミュニケーションの継続)

それを実感させるために以下のようなワークを行いました。

さっきグループでそれぞれ受け取った商品。その商品に問題があったと仮定します。たとえば、1グループが受け取ったカバンが受け取ったときに壊れていたとして、2グループに先に考えたユーザープロファイルと一緒にクレームを伝えます。そして、2グループがそのユーザーに対してどのような方法で信頼を取り戻すかを考えていくという段取りです。特に下の二点を中心に話し合いをしていきます。

・そのユーザーにどんなことを伝えたいか、どんな気持ちになってほしいか考える。
・ハート(心)とヘッド(頭)に訴えるように工夫します。

ワーク2カバン

ワーク2 2

 

<いよいよ発表!クレームにどう対処する?>

そしていよいよ発表です!

プレゼンテーション

4グループプレゼン

1グループは、壊れた椅子を受け取りました。

・同じ商品を再度送る。返品の際には、ソーリーボックスに入れる。ブルーで涙目のかわいいキャラクターがついています。
・「送料 無料」「10%引き」「ジャム一個買ったら一個無料」などの3つのオプションから一つを選べるようになっています。

2グループは、破れた洋服を受け取りました。

・なるべく早くメールを送り、きれいな包装紙に包んで、メッセージカードと一緒に 前 よりも丁寧に商品を送り直す。
・このグループははじめ、次回を無料にするとか、高いものを一緒に送るなどを考えましたが、あまりあげすぎると、わざと自分で壊して返品するかもしれないと考え直して、案を作り直しました 。

3グループはカバンの取っ手が壊れていました。

・社長がきちんと謝るべき。
・その場で丁寧な手紙を持って、対面で謝る。
・もし遠くて謝りにいけない場合は、スカイプで謝る!

4グループは割れたワインを受け取りました。

・ワインが壊れたのは、運送屋さんのミスなので、運送会社を取り換えるように説明する。
・お詫びの品か、パーティー をするためにワインを買ったとのことなので、パーティ会場の割引券を渡すかのどちらかを選べるようにする。
・このグループも3グループと同じく劇を行う形でプレゼンテーションを行いました。

3回目に入って、プレゼンテーションの内容もさながら、質問タイムに沢山の質問が出てくるようになりました。

「運送会社を変えるっていうけど、何かあるたびに運送会社を変えていたら大変ではないですか?」
「なぜパーティーの割引券を思いつきましたか?」
「他のグループはサービスやお詫びの品を出すのに、なぜ手紙だけにしましたか?」

などなど。質問も鋭いですが、それぞれに対する答えもなるほどと思われるしっかりとした説明ができていました。実は、プレゼンテーションで一番難しいのは、想定されていないような質問が飛んできたときに、しっかりと慌てずに答えること。堂々と回答をしてくれた皆にスタッフも驚きました。

 

<修了式!!>

そして・・今回は3回にわたるビジネススクールもいよいよ最終回となりました。カイエールさんに修了証を渡してもらいました。

修了式

私たちからの修了に向けてのメッセージは以下の通りです。
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あなたは、ポラリスこどもビジネススクールプログラムに参加し、グループのお友だちと一緒に一生けんめいに考え、プレゼンテーションをしました。
「販売とはお客様に価値を伝えることである」というテーマをつうじて、自分が好きなこと・好きなものを見つけて、お客様の気持ちを考えながら、その価値をうまく伝えることの大切さを体験できたと思います。ここで考えたこと・感じたことをさらに探究していってください。応援しています。
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<最後に・・私たちの想い>

3回にわたってのポラリスこどもビジネススクール。最後に私たちのこのプログラムへの想いを書かせて頂きます。

このプログラムの企画時、まずこたえのない学校として確認したことは、「単なるお仕事体験ではなくて、ビジネスというテーマの中で何が本質か、そしてその本質に迫る問いを考えられるような、“とことん考える”プログラムにしよう」 ということでした。

手っ取り早いお金儲けのノウハウを知ったり、「販売」「技術開発」「企画」「会計」の方法論を知識として受け取ることも意味のないこととは思いません。ただ、私たちとしては、そういったことは、子供たちが「本気」になったときにはじめて自分で調べて、自主的に学んでも良いものだと考えています。

では、ビジネスの本質とは何か?
ポラリスこどもビジネススクールは、ビジネスの根幹概念は「“誰”にどんな“価値”を提供するか」とし、それを探究するテーマと設定しました。そして今回の3回コースのテーマは「販売」です。

この3回を通じて子供たちは、いろいろなビジネスの在り方を見て、そのビジネスの最前線にたっている人から直接話をききましたが、実は同じテーマで3回のプログラムを行っています。それは、「“販売”とは“顧客”に“価値”を伝えることである。」というものです。

第一回のマーケティング専門家相澤利彦さん、第二回のルセットの販売マネージャー赤星慶浩さん、第三回のアルメル・カイエールさん。それぞれの扱う商品もビジネスの仕方も違いますが、“顧客にどう価値を伝えるか”というテーマは同じです。

「本質的にこのビジネスが何をしているのか?」が分かって初めて販売技術や、会計などの個別の技術が生きてきます。

今回はたまたま「ビジネス」がテーマでしたが、テーマは別となってもこうやってモノゴトの本質を見つめ、探究をしていけるようなプログラムをこれからも“真面目”に開催していきたいと考えています。 これからもどうぞよろしくお願いいたします!

 

<プログラムレシピ>

1)セントラルアイディア

「”販売”とは顧客に価値を伝えることである」
2)探究の流れ

A)ハートとヘッド両方での知覚と認識

B)顧客との信頼関係の構築
3)キーコンセプト

「function」「perspective」
※ミレポルテの商品は日々入れ替わっている関係上、ワークで使った商品と類似する別の商品を事例として出しています。

 

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