4月19日「コンビニの”あの”スイーツ、誰が考えたの?」開催しました!

4月19日、いよいよポラリスこどもビジネススクールの第一回が開催されました!

 

今回のナビゲーターは、販売・マーケティングのプロとして戦略コンサルティングに携わる他、ローソン顧問、グロービス経営大学院教授など多方面で活躍されている相澤利彦さんです。

さて、「ものを売る」プロである相澤さんが販売というテーマで伝えたいメッセージはズバリ

“販売の競争力の源泉は、お客様とのコミュニケーションである” です。

今回はコンビニがどのようにお客様のことを考えて、商品を企画したり、タイムリーに商品を届けるために努力をしているのかという裏側の話を相澤さんから聞いて、でかプリンを題材に教わった“顧客プロファイルの作り方”“商品販売のための工夫”を実際に使いながら、プレゼンテーションを作っていきました。

一見すると小学生には難しいかもしれない題材かもしれませんが、言葉が全部分からなくても大丈夫。最後のプレゼンテーションでは、“小学生がコンビニで買いたい商品はこれだ!”というテーマで、相澤さんへの提案を行いました。どのグループも大人顔負けの顧客プロファイルと工夫できていました!

 

<以下詳細です。>

 

■ 相澤さんの紹介

最初は相澤さんの自己紹介からです。相澤さんは、沢山の仕事をしています。

 

・会社の社長 (社長の先生をしてます)

・ローソンのアドバイザー(顧問)

・教授

・会社の取締役 ・・・など。

また、大学4年生と高校2年生の息子さんのお父さんでもあります。

 

昔は一生で一つの仕事だけをすることが多かったかもしれないけれど、一つだけだと窮屈なこともある。同時に複数の仕事をしたくなったらしてしまっていいんだよ、と力強いメッセージをもらいました!

 

相澤さんプレゼンスタート

 

■コンビニの売上って店によってこんなに違うの?

 

次には、コンビニってどんなのがある? 売上、利益って知ってる?と質問。

どんどん手が上がります。

 

「ファミリーマート!」「セブンイレブン」「ローソン!」

「利益って、、会社にとってプラスになるものかな。」

 

そして、、コンビニ大手4社の業績をみせてもらいました。

☆コンビニ各社売上

 

セブンイレブンの利益が2575億円に対し、サークルKサンクスは、95億円しかありません。相澤さんは、言います。「”億円”じゃなくて、”円”で考えていいよ。2575円もらえるのと、95円しかもらえないのでは大きな差があるよね。こうした差はどこから出てくるんだろう?」

 

また、売上は、コンビニに1日何人来て、みんなが平均していくらくらい買っているかが分かれば、その掛け算で分かることも教えてもらいました。そして、各コンビニの1店舗当たりの1日当たりの売上(平均)も全然違うのです。

 

☆コンビニ各社日版

 

■ 売上が違ってくる理由~商品を食べ比べてみよう!

 

なぜこれほどまでに売上が変わるのか!? 商品の質が違うと売上が上がるのか? 探究していきます。

2つのコンビニ店の同じような商品を食べくらべて、そのちがいを感じ、表現します。

見た目、食感、味、・・・微妙な違いをどれだけつきとめられるかの挑戦です!

出されたのは、お赤飯と大福。一つはA社(赤)のもので、もう一つはB社(青)のものです。

 

調整後 食べ比べワーク中

 

「うーん、赤は豆がつぶれている感じ」

「青のほうが美味しく感じるなぁ。」

「青は固く見えるけど、食べてみると柔らかいよ」

「赤はモチモチで美味しいよ」

 

味は、当然両社で違います。なぜ両社の味は違うのか。それは、両社で商品作りの考え方が違うからです。

「手作り感のある美味しいおにぎり」はつくるのにお金がかかる。「大量生産で簡単に作ったおにぎり」は安くできる。でも、美味しいのは、手作り感のあるおにぎり。お金がかかっても良いので、味を追求する人たちにおにぎりを提供するのか、もしくは味を追求しなくても、工場で出来るだけ簡単な工程で作って、ほどほどに美味しいものを手ごろな値段で沢山売るのか。

 

どちらも正解です。でも、どちらにするかを決めなければなりません。

ビジネスではいつもお互いに相反する2つの事実があって、どちらを優先するかを決めていかなければならない、ということです。

 

■ 仕事の本質 ~ 仮説って何?

 

相澤さんは言います。これこそが「仕事の本質だよ」と。

たとえば、お昼時までにおにぎりをたくさんお店に運ばなきゃいけない。おにぎりは工場からトラックで運ばれる。トラックはスピードを出せばいいのか、それとも安全にスピードを落として運ぶべきか。

棚に沢山商品をのせたいけど、載せすぎると売れ残りが多くなってしまう。どうしようか、とか。

「“仕事っていつもこういうことを悩んでいるんだよ。お父さんやお母さんも毎日大変。このバランスをとることこそが”仕事“なんだ。」

「そして、もう一つ、むずかしい言葉だけど、覚えておくと、きっと役に立つ言葉が“カセツ(仮説)”なんだ。つまり、たくさん商品を並べたいけど、売れ残りがたくさん出ちゃうかもしれないときに、今日は雨が降るから傘を出そう、とか、今日は近くで運動会があるから、飲み物が売れそうだな、とか考えること。ビジネスでは「こうなんじゃないかな?」といつも推測しながら仕事をするんだ。」

そうすることで、「できるだけ沢山の商品を棚に載せたいけど、売れ残りを少なくしたい」というチャレンジをするのです。

 

☆コンビニ各社棚の違い

 

前半の部はこれで終了。お休みを挟んで、後半に入ります。

 

■ 商品企画で大事なこと。 ~でかプリンは誰が買っているのか?

 

後半はある商品について考えることから始まりました。それは・・・通称「でかプリン」

 

☆修正後コンビニ各社デカぷりん

 

「これ、どんな人が買うか知っている?」と相澤さんは聞きます。

「何歳くらい?」「女の人?男の人?」「何時くらいに買ってる?」

 

「3時くらい?」「5時くらい?」「小学生?」「40歳くらいの人」・・・意見が次々出ます。

 

そして、、相澤さんから本当のところを教えてもらいました。

 

その結果、、、

 

「約7割が男性」

「40歳台が一番多い」

「購入する時間帯は夜11時が多い」

 

というびっくりするような結果。。たぶん、想定される顧客プロファイルは「まいう~」の石塚君みたいだよね。と言ったら、子供たちも納得。

 

■ いよいよプレゼン作成! “小学生がコンビニで買いたい商品はこれだ!”

 

こうしたデータは、ポンタカードなどのポイントでとることができて、そのデータが情報の宝庫であるという話をしてもらってから、いよいよ子供たちが実際のプレゼンワークに入ります。

テーマは“小学生がコンビニで買いたい商品はこれだ!

 

どの商品を売るかを決めた後は、プレゼンに入れ込むのは、「まいう~」の石塚さんのように、その商品を買うお客様がどんな人かを特定して、いつどんな時に買って、誰のために買うのかなどシチュエーションを整理します。そして、商品を売るための工夫も入れる・・というのがルールです。さて、みんなからどんな提案が出るでしょうか?

 

結果は・・

1グループは、ユーザープロファイルは7〜10歳の女の子で、絵を描くことが好きで折り紙、ぬり絵をするのが好き。商品は48色カラーペン。平日学校が終わったときや土曜日の夕方に、自分の楽しみのために買います。売るための工夫としては店の表にポスターを張り、店の一番最初に目がいく所に、その商品の看板を置いておく。48色を組み合わせて買える。まとめて買うと安くなるなど。

2グループは、小学4年生の男の子で、漫画とおやつとジュースがセットになったもの。自分で好きな組み合わせを選べるとか。売る工夫としては、ポイントカードを作ったり、ポップを作ったりする。

3グループは、小学4年生が対象で、暗殺教室のCD、休日のひまなときに、空気をもりあげるために使う。売るためには宣伝をし、フィギュアをつけたり、試し聞きをするためのヘッドフォンを置く等。

4グループは1年生がターゲット。プリキュアやアナ雪、アイカツが好きで、自分で作れるパフェ。ご褒美や誕生日、クリスマス、特別な日に買います。売るための工夫はCMをしたり、ネットで広告も活用!

 

修正後 4グループ発表の様子

 

プレゼンを聞き終わった相澤さんからは、プレゼンで大事な4つの要素を教えてもらいました。

 

  • 自分の意見をちゃんと持てた?
  • 他の人と意見が違った時に、どうふるまった?
  • 考えをちゃんと表現できた?
  • 聞いた人が納得した?

 

つまり、自分の好きなことを言うだけではだめで、他の人と意見が違うときにあきらめることなく、意見をぶつけてお互い納得するまで話し合うこと、また思っていることをできるだけわかりやすく相手に伝えること。そして、「相手が納得したか?」ということです。

特に4つ目は重要で、「相手が納得しないプレゼンテーションは意味がないんだよ」という厳しくも大切なメッセージをもらいました。

最後に相澤さんは言います。「広い海岸を見渡すと、一面同じような石の集合に見えるけど、よーく見てみると、一つ一つの石は全部違う。お客様も同じ。そうしたみんな個性をもったお客様のために商品を提供するのが仕事なんだ。そしてこうしたことを考えるのってとてもとても楽しいことなんだ。」

 

☆色々な石がある

「仕事は楽しい!」「楽しい仕事をしよう!」と最後に相澤さんからの応援のメッセージがありました。

 

ありがとうございました!

 

<プログラムレシピ>

 

1)探究するテーマ(Central Idea)

販売の競争力の源泉は、顧客とのコミュニケーションである。

 

2)探究の流れ

・コンビニの売上の違いの差の理由 (商品企画とバリューチェーン)

・ターゲット顧客の設定 (顧客は誰?どんなシチュエーションで買うだろう?)

・ターゲット顧客に商品を売るための工夫

 

 

3)キーコンセプト(学ぶ重要概念のポイント):

ものごとの関連性(Connection):ポンタの顧客分析→でかプリン企画→売上→企画見直し

視点、視野を変える(Perspective):コンビニの商品を、「買う側」でなく「売る側」から考えてみる。

機能を考える(Function):各バリューチェーンの役割

 

以上

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